この度、著書を出版された山岡大基先生(教英07)から寄稿していただきました


この度、著書を出版された山岡大基先生(教英07)にこの広大教英ブログに文章を寄稿していただきました。お忙しい中、ご快諾いただいた山岡先生にはこの場を借りて改めてお礼申し上げます。

それでは山岡先生から皆さんへのメッセージをどうぞ!




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筆者について



山岡大基(やまおか・たいき)です。教英の卒業生で,広大流に言うと「07(ゼロナナ)」,平成7年度(1995年度)入学生です。大学に入学したときは,英語の先生になろうなどとはまったく考えていませんでした。せいぜい「英語の勉強がしたい」という程度の動機とセンター試験の点数で広大教英への進学を決めたのでした。しかし,英語教育について学ぶにつれ,「人にものを教えるって,こんなに専門的な知識や技能が要求されることなんだ!」と感動をおぼえ,気がつけば大学院(博士課程前期)にまで進んで英語教育について学び,英語の先生になってしまっていました。

大学院修了後は,しばらく県外の公立高校に勤めていたのですが,縁があって広島大学の附属学校の1つである,「広島大学附属福山中・高等学校」(福山市)という学校に転任し,その後,さらに学内で「広島大学附属中・高等学校」(広島市)へと異動して,今に至っています。 

附属学校では,普通に中学生・高校生に英語を教えるだけでなく,教育実習などを通じて大学生に「英語の教え方」を教えることも仕事のうちで,それが,自分の教え方を振り返る「鏡」にもなっています。



本書について


 英語ライティングを教えることに特に強い関心を持ち始めたのは,国語教育での作文指導について知るようになってからです。まだ教職経験の浅かったころ,ライティングをどう教えてよいか分からず,英語教員向けの本を読んだり,高校生向けの通信講座を自分で受講してみたりと,いろいろ勉強していたのですが,その中で,国語教育の本も読んでいました。国語科では,さすがにいろいろな教え方が研究されていて,英語教育だけ勉強していたのでは,なかなか触れることのできない知恵があふれていました。特に小学校での教え方から,英語では高校生を教えるのにちょうど応用できるくらいの教材や活動が多く見つかったのは新鮮な驚きでした。

そうやって,「これは面白い!」と思った教え方は,すぐに自分の授業に取り入れていたのですが,そのうち,ある程度「型」を決めておいた方が,生徒は書く内容を考えることに集中できるので,書きやすそうだ,ということが見えてきました。「何でもいいから自由に書いて」と言われるよりも,「この型にはまるように書いて」と言われ,枠をはめられた方が,逆に思考が活性化して創造的になれるのだな,と思いました。実際,「型」を決めて練習するうちに,みるみる生徒は上達し,ある年の高校生の英作文コンテストで賞を「荒稼ぎ」するようなこともありました。

その一方で,研究開発の一環で「クリティカル・シンキング」の授業を担当するようになったころから,生徒の書く文章の論理性が気になり始めました。おおむね英語らしい構成の文章は書けるようになるのですが,そこから先の,読み手を論理的に説得する文章が,なかなか難しい,ということが見えてきました。そして,やはり,まともな英語で,すっきり読みやすく書くことができるか。そういったところをぼちぼちではありますが,まず自分自身が勉強して,それを授業にも活かすようにしてきました。

この本は,そういったわたしの学習と指導の経験を反映させて書いたものです。ですから,ジャンルとしては「語学書」で,自分の英語ライティング力を高めるために使っていただくのが本来の目的ですが,英語教育の観点から「英語ライティングの教え方」を学ぶために読んでいただくこともできると思います。もしお手に取っていただけることがあれば,率直なご意見をいただければ幸いです。



広島大学・教英について


 わたしの場合,そもそも英語の先生になろうなどと思っていなかったのに,どういうわけか広大教英に入ってしまったことで,大きく人生の方向が変わりました。それだけ強烈な学びが広大教英にはあったということですね。

学部時代は,まず,英語授業の方法論を叩き込まれました。授業中の教員の1つ1つの言葉や行動には意図がある,ということを徹底して言われました。「なぜその発問をするの?」「なぜその用例を使うの?」「なぜそれを黒板に書くの?」等々。また,人間が言語を処理する認知プロセスについても学び,言語習得を科学的に捉える考え方も鍛えられました。

大学院では,研究を進める中で,思考を徹底して言語化し,他者に誤解なく伝わるように表現するよう厳しく求められました。また,英語教育という事象を見るのに,実に多様な視点から議論をすることで,いかに自分の見方が一面的であったかを思い知らされる日々でした。

そんな学生時代も今となっては遠い昔ですが,そうやって広大教英で鍛えていただいた力は,この本を書く根っこのところに息づいていると思います。


















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