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ミシガン州立大学に留学した学部一年生の心境の変化

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以下は、現在、ミシガン州立大学に留学している学部1年生のUSさんからのメールです。留学開始の時期の様子がよくわかるので、本人の快諾を得て、ここに転載します。




到着して約一週間後の第一のメール、三週間後の第二のメール、教師の勧めで一段階高いレベルの授業コースに入った直後の第三のメールと、本人の心情の変化が書かれていますので、これから留学しようと思っている人の参考にもなるのではないでしょうか。

USさん、改めてメールに感謝します。留学を精一杯満喫してください!






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2017/9/1

先生お久しぶりです、USです。

アメリカに着いて1週間ほど経ち、様々な違いにも慣れて、少し余裕が出てきたので近況報告をさせていただきたく、連絡しています。

現地時間の22日火曜日にミシガン州に到着し、1週間は様々な歓迎プログラムや学校行事に参加し、日本とは全く異なるアメリカの文化に触れて、昨日からは授業が始まり、アメリカの生徒中心(students centered)の授業形式の一端を垣間見て、と、気づけば口がぽかんと開いてしまっているような日々を送っています。

私たちは、英語力を高めるために留学しているので、同じく英語を第二言語として学ぶアジア系の生徒と一緒に、English Language Centerのプログラムの中で学んでいるのですが、その中でも存在する、中国からの留学生との差を感じずにはいられず、落ち込むこともありました。先生の言っていることは理解しているし、その場その場で自分が何をすべきかはわかっているのですが、アイディアが全く出てこなかったり、即座に反応、解答することが出来なかったり、と英語以前の問題に自分がぶつかっているのも事実です。

また私たちは寮で2人で1部屋を共有していて、私のルームメイトが現地のミシガン州出身であったり、同じ階に多くの英語母語話者がいたり、といつも英語に触れられる環境になっているのですが、彼らの話す英語の速さにはほぼついていけず、声をかけるのをためらってしまう自分もいます。

こちらに来て出会った教授には、「今習っている途中なんだから出来なくて当たり前、大丈夫」「こっちには君を知っている人がいないんだからいくらでも新しい自分を見出すことが出来るよ」とたくさん助言をしていただくのですが、なかなかそれが実行できずにいます。

初めての留学でネイティ…

学部四年生のOAさんが、スクラブル大会 (第一回英棋戦) で最優秀学生賞をもらいました!

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教英の学部四年生のOAさんが、神戸で開催された全国規模のスクラブル大会 (第一回英棋戦) で最優秀学生賞をもらいました!

このゲームを通じてOAさんの世界がどんどん広がっています。

大学時代はいろんな挑戦をする時代です。皆さんもどんどん世界を広げてください!






以下は、そのOAさんの報告です。



神戸でのスクラブル大会(第一回英棋戦) のご報告


9月9日(土)から11日(月)に、NHK神戸放送局の一角をお借りして、スクラブルの大会が行われ、参加してきましたので、ご報告致します。
 スクラブルとは、英語クロスワードゲームと言い換えられることがあります。盤上にプレーヤーが交互に英単語を作り、クロスワード上につなげていくゲームです。作った単語に応じて与えられる点数の合計を競います。広島大学では、英語教育学講座のソング・キャサリン先生の呼びかけに集まった学生が週一回程度集まってスクラブルに取り組んでいましたが、昨年冬から正式な大学の愛好会(Hiroshima University Scrabble Players, 以下HUSPs) として発足しました。これにより、大学外での行事に参加しやすくなりました。
 「第一回英棋戦」と銘打った今回の大会では、3日間で17試合を行い、私自身は11勝を挙げて、BEST STUDENT(優秀学生)賞をいただきました。練習の相手をしてくださったソング先生やHUSPsメンバーのおかげであり、また日頃からお部屋を貸してくださり見守ってくださる英語教育学講座のみなさまのおかげでもあります。この場を借りて、お礼を申し上げます。



 どの試合でも、勝ち負けに関わらず、ゲームや対戦相手との交流を楽しめました。ゲームそのものが楽しいのはもちろんのこと、ゲームが終わってからボードを囲んでお互いの知らなかった単語について話すのがまた楽しい時間でした。
 世界レベルの強いプレーヤーもいらっしゃいましたが、到底かないません。そのような方と対戦すると「ショックを受けるのではないか」と聞かれたことがあります。私にとっては、そのような方々とゲームをすることは、見知らぬ単語との出会いにあふれており、楽しいものです。あるいは、盤上のアルファベットを見て、その空欄を埋めればどのような単語ができるのかを思いついてしまう、柔軟な発想を目にすると感銘を受けます。
 今回の大会「第一回英棋戦」は、…

学部4年次生による「対話」についての振り返り

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以下に掲載するのは、学部4年次生用の授業(現代社会の英語使用)で演習を行った対話に関する学生さんの振り返りです。

 「対話」といっても、それが結論などをまったく必要としないブレイン・ストーミングのようなものか、それともある程度の合意を必要とするものなのか、などによって、そのあり方は多少変わります。授業で行った対話は、教育現場での話し合いを模擬的に行ったこともあり、ある程度の合意を求めるものでしたが、それでも結論を性急に求めてはいけないということについては変わりません。

参考:
David Bohmによる ‘dialogue’ (対話、ダイアローグ)概念
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2016/04/david-bohm-dialogue.html
感受性、真理、決めつけないこと -- ボームの対話論から
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2016/05/blog-post.html
ボームの対話論についての学生さんの感想
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2016/05/blog-post_8.html

 下のまとめを読んでみると、私自身、対話の技法についてもっと熟達していかねばならないと思わされます。

 家庭でも職場でも公権力の場でも対話は重要です。

 皆さんも下のまとめを読んで、日頃の対話のあり方について再びお考えになってはいかがでしょうか・・・







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■ OAさん

 対話とは、参加者個々それぞれが物事の一面しか見えていなくても、真理と連動性を全員が目指して対話をしていくと、個々の誰の考えであったものでもない、新たな考えを創造できるというものであり、集団で思考することである。相手の言っていることが一見話題とは関係ないように思われるかもしれないけれど、連動性が頭にあれば、「それはどのように関係するの?」と質問をして議論を深めていくことができる。「相手を変えてやろう」と思っていると相手の意見を聞くことができない。

 また、結論を出すことに固執しないものであるが、私はこの意味をはじめ取り違えていたようである。はじめは、結論を出すことよりも、全てに連動性があると想定してお互いの意見を聞き合い、新たな発想にたどり着くことが大切なのだと捉えていた。しかし、対話の活動を重ねていくうちに…

学部3年生による『英語教育と「訳」の効用』の書評

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以下は、学部3年生のN君がある授業における「自主課題」として提出してくれた、『英語教育と「訳」の効用』の書評です。




中高の英語授業における英語使用の促進は、同時に「日本語は使うな!」という流れにつながっていますが、N君がまとめるように、「英語授業では絶対に日本語訳をするな!」といった意見は、「英語授業では必ず日本語訳をせよ!」といった意見と同様、頑なで非現実的な見解かと思います。


以上のように, 二言語併用は様々な恩恵がある。ただし注意しなければならないのは, 著者も度々述べているように, 「訳の使用は既得言語使用の一形態にすぎず, 唯一の形態ではない」ということである。(p.7, p.84)これを忘れればかつて直接教授法が教育訳を排斥したのと同じような「魔女狩り」に走ってしまう恐れがある。教育のあり方を考える際には, 全ての学習者にとって効果的な教授法は存在しないのだから, 「これが絶対」と言い出したが最後, 教育訳は, 直接教授法が辿ってきた道と同じ道を辿ることになるだろう。これは避けねばならない。

この書評は、「訳」 (translation) について丁寧に考えた本を、N君が丁寧にまとめたものです。

もちろん、まとめただけではなく、N君の見解も入っています。

学習者だけでなく教師も研究者も, 結局は何らかの思想ないしは感情に動かされて, 英語に対して都合よく枠組みを与えているだけなのではないか。そのような凝り固まった考えを解し, 言語学習・外国語学習には, それを使いこなせるようになること以上に重要な側面があるということ, 二言語併用と教育訳はその即面を理解する助けになるということを学習者に示す指針として, ぜひ本書を読んでいただきたいと思う。


以下、長い文章ですが、現役の英語教師の方々にも読んでほしい書評です。
N君、ありがとうございました!


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書評 『英語教育と「訳」の効用』 ガイ・クック著 斎藤兆史・北和丈訳 研究社 2012年


目次


1. なぜ本書を選んだのか
2. 本書の内容紹介
2.1 書題に関して
2.2 注意すべき用語
2.3 本書の構成
3. 本書が提示する重要論点
3.1 「目的としての訳」と「手段としての訳」を区別するべきか
3.2 教育訳はいかにして迫害され始めたのか
3.3 訳はなぜ論じられてこなかったのか
3.4 第二言語習得理論と教育訳