2月は逃げた


時々、「大学の授業は2月で終わりになるから、2月は暇でしょう」などと言われますが、授業が終わっても学年末ということもあり、2月は結構忙しい時期となります。

特に、卒業論文審査、修士論文審査、博士論文審査、大学院入試、学部前期入試などが立て続けにありますので教員は結構忙しくしています。

しかしそんな中で開かれた「教英追いコン」(卒業生・修了生を「追い出す」祝賀会)は抱腹絶倒の会でした。以下は最後に撮った写真ですが、これだけ幸せな時間を作り出してくれる教英生を私たちは誇りに思っています。





さて、以下は、学部三年生向けの授業の特別課題で提出されたAMさんによる文章です。
多くの人に読んでもらいたく思い、ここに転載します。

もっと早く掲載したかったのですが、文字通り「2月は逃げた」ので本日の掲載となりました。



伊藤穣一さんの言葉から考える教育


私が「英語教育とコミュニケーション能力」の授業を受けている時期にタイミングよく、「教育方法・技術論」という教職の授業の中で伊藤穣一さんという方を知る機会がありました。

恥ずかしながら私はその授業を受けるまで伊藤穣一さんの名前さえ聞いたことがなく、世界でこんなに大活躍している日本人がいることも知りませんでした。伊藤さんはマサチューセッツ工科大学のメディア・ラボの長を務めていて、ベンチャー企業家、テクノロジストなどとにかく幅広い分野で活躍し、常に何か新しいことを発見しようと試みている非常に興味深い人物です。

授業で見たビデオでは伊藤さんの経歴や活躍ぶりが簡単に紹介されており、ビデオ越しにではありますが久しぶりに目がくぎ付けになるような人物に出会ったような気がしました。「英語教育とコミュニケーション能力」の授業で考えたことを連想させられる場面や言葉に多く直面したうえ、もっと伊藤穣一さんという人物の生き方や考え方を知ることで教育に対する見方考え方もより革新的なものにできるのではないかと考え、興味深く思ったため、調べてみることにしました。

そこで今日は特に印象に残っている伊藤穣一さんの言葉を含むネット記事とTEDを紹介したいと思います。

ネット記事(東洋経済ONLINE)

TED


伊藤さんはネット記事にもTEDにも教育とラーニング(自主的な学び)の決定的な違い及びラーニングの重要性を述べています。伊藤さんにとっての「教育」とは与えてもらうもの、「ラーニング」とは自分でするものを指しています。

ラーニングを重視し、興味のある分野や関連テーマをとことん追求しオリジナリティを作っていくことに価値を見出すアメリカとは対照的に、日本は教育国家であると言います。縦割り社会で、いかに権威に従うことができる人間を育てられるかが重要視されている。日本人は建設的な議論ができない、クリティカルシンキングができないと言われる背景にはそういった社会が存在しているからではないか。未だに日本は先生や上司など、目上の人に対して自分の意見を主張し、反対することはかなり難しいし、クラスで反対意見を言ったり、少し変わった発言をするとすぐに変人扱いされてしまう。

私自身、この風潮が中高生の頃から大嫌いで、なぜこんなに便利で平和な日本で生きにくさを感じるのかを考える度に帰着する点がこの縦割り社会・同調性社会だった。伊藤さんがおっしゃるように実際にアメリカの大学生は議論をすることを厭わないし、目的意識を持って専攻を選び、自分に合わなかったら他の専攻を選択している。2年前にアメリカの大学に2週間滞在したが、現地の学生と自己紹介をするたびに、なぜ広島大学を選んだのか、なぜ教育学部を選んだのかという「学ぶ目的」をこれまでかと思うほど聞かれた。逆に同じ質問を彼らに聞き返すと、長々と夢を語ってくれた学生から“Just for my interest”(特にminorの場合)と一言で答えてくれた学生まで様々だった。“Just for my interest”なんて、日本の大学生の何パーセントがこういった回答ができるのだろう、と感じたのと同時に、彼らは本当に興味を持ったものを自ら専攻しているのだなと身に持って感じさせられた回答だった。

日本ももっとアメリカの大学のようにフレキシブルになってマイナーが取れたり、言論の自由がもっとオープンに認められるようになってほしいと思うところはたくさんあるが、理想論だけを語っていても何も始まらないので、私は伊藤穣一さんのTEDから学んだこの言葉”learning over education“を大切にして、少なくとも、子供たち(自分自身も)がlearningしている教室を築くことができる1人になりたいと考えている。

伊藤さんが言う、学びながら次のこと(次の目標や夢)を考え、それが現実味を帯びてきたら実践してみる(ただしプランBも用意しておく)、必要な時に必要なスキルやものを引き出せるようにするといった考え方も、ある小さな枠組の中に留まらないためのいい考え方だと思った。

以下は常に自分自身が成長していくために必要だと感じさせられた伊藤さんの言葉です。


(ネット記事)
余暇は酒を飲んで終わるのではなくて、自分のバリューを磨いたり、勉強して知識やスキルを磨いておくことが重要になってきます。

(TED)
I think it's about stopping this notion that you need to plan everything, you need to stock everything, and you need to be so prepared, and focus on being connected, always learning, fully aware, and super present.

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