2016/07/20

大学院で学ぶことが、なぜよい実践者になるために重要なのか



優れた実践者になるために、なぜ大学院で学ぶことが重要なのかについて、長年の中学校教師経験を経て教英の教員になった樫葉みつ子先生に文章をまとめてもらいました。


実践者にも必要な研究マインド

広島大学大学院教育学研究科 樫葉みつ子

学部卒で教職に就いた私は,学会や研究会にポツポツと参加しては,そこで得た断片的な知識や理論を頼りに授業実践を続けていました。そんな実践に行き詰まりを感じていた頃だったでしょうか,地元の鳴門教育大学の大学院で学ぶ機会を得たのは。そして,そこでの2年間,本質を問うこと,論理的に考えたり説明したりすることなど,根本的な授業改善に結びつくような実に豊かな学びを経験させてもらいました。修了後,実践者としてより確かな歩みができそうな手応えを得て,もっと早く大学院で学んでいたらと後悔したと同時に,どの教員もこのような専門性を身に付けるべきではないかと思ったものでした。

学校現場には即効性のある「どのように」に関する知恵が豊富です。そのため,同僚間の交流が盛んな環境にいると,実践者は通常の業務の遂行には支障を感じにくいかもしれません。しかし,常に新しい課題が生まれる複雑な学校現場は,慣例として用いられる知識や技術だけではよくすることができません。研究的な改革や改善への取り組みが必要となります。つまり,「なぜ」にまで遡って価値を見直したり,理論や研究に基づいて説明したり,根拠をもって判断したりすることが求められます。新たな教育内容や方法を創造することや,日頃の実践をよくするためには,実践者にも「研究マインド」が欠かせないのです。

大学院で修得する「研究マインド」は,これからの変化の大きな社会において,主体的な教育活動の担い手となることを期待される教員には,ますます必要な資質となります。また,2年間の知識や技能の蓄積とその間の人間的成長は,教職に就くための基礎体力を高めてもくれることでしょう。大学院は,教員になるために必要な力量形成の期待に応えます。






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