2024/06/19

教英生にウォルトディズニーワールド(WDW)でキャストをしながらの留学をふりかえってもらいました!

202312月に、アメリカのフロリダ州にあるウォルトディズニーワールドでキャストをしながら留学している教英4年生に記事を書いてもらいました。

教英生がウォルトディズニーワールド(WDW)でキャストをしながら留学中です!

 

無事に日本に帰国し、教英へ戻ってきてくれてます!今回、その学生に留学のふりかえりをしてもらいました。本当に充実した日々を送れたとのこと、とてもうれしく思います!

 

 

 

 

 

約半年間のウォルトディズニーワールド(WDW)での留学を終えて、日本に帰ってきました。前回のブログでは主にキャストとしての日々について書かせていただきましたが、今回のブログでは留学生活全体を振り返っていろいろと書いていこうと思います。また、ブログの最後にはプログラムに興味を持ってこの記事を読んでくださっている方のためにプログラムの申し込みから出国までの概要を紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

 

まず、私の1日のスケジュールを紹介します。基本的に週5でキャストとして働き、残りの2日に授業がありました。仕事がある日は朝8時に起きて、昼食としてサンドイッチを作り、10時ごろに寮から出ているバスに乗って出勤、11時ごろから働き始めて19時頃に退勤して寮に帰ります。日によっては退勤後にゲスト用のバスに乗ってパークに行って、ご飯を食べて花火を観て帰るということもありました。授業がある日は、午前中にスーパーマーケットに食料品や日用品を買いに行き、14時から寮の施設内の教室で授業、授業後に友人とパークに遊びに行くという日々でした。アメリカは物価が高いとはよく聞きますが、数日分の食料品を買っただけで簡単に50ドルを超えてしまうので、留学初期は会計が恐ろしくて仕方がなかったです。

 

この留学では、キャストとしての時間や授業はもちろん、それ以外でも様々な経験をすることが出来ました。射撃体験やクリスマスパーティをしたり、ケネディ宇宙センターやアリゲーターランドに行ったり、バスケの試合を見に行ったり、寮でのパーティやビンゴ大会に参加したりと様々な体験をしました。友人の家でゲームをした日もありました。その時はマリオカート8デラックスやスーパーマリオブラザーズワンダーやTrivia Murder Partyというクイズゲームで遊びました。クイズゲームはアメリカの知識を問われたので私や韓国人、フランス人の友人は全然できませんでした笑。私にとってこの時が英語でゲームをする初めての時でした。最近はゲームと英会話を掛け合わせたゲーミング英会話が話題に上がることもありますが、その良さの片鱗を感じました。確かに英語を使いつつコンピューターゲームをプレイすると英語の発話量が増えるかもしれませんし、時間制限のあるクイズゲームをプレイすると英語の速読の練習に役立つかもしれないと感じました。

 

また、ビンゴ大会に参加した際には当然ながら数字がネイティブの速度で次々と読み上げられるので、中学生の数詞の聞き取り練習に活かせそうだと感じました。英語学習とは関係ないですが、このビンゴ大会で使用されたビンゴカードがFinger Tip Shutter Slide Bingo Cardsという再利用可能なカードで教具として使いやすそうだなとイベントと関係のない感想を抱いた記憶があります。

 

しかし、留学期間中は楽しいことばかりではありませんでした。苦労することも多々ありました。まず、様々な言語的バックボーンを持つ人々が集まっていることです。前回のブログにも少しだけ書きましたが、フロリダ州はスペイン語話者が多く当たり前のようにスペイン語が飛び交っています。職場で自分以外の人がスペイン語で会話していると強い疎外感を感じることがありました。しかし、これは日本でも起こり得ることだと思います。日本語の母語話者とそうでない人が入り混じってコミュニケーションを取るときに、日本語母語話者同士で早口で会話をすると、非母語話者が似たような感情を覚えてしまう可能性があると気付きました。異文化間のコミュニケーションを考える時にこの視点は私にとって新しい学びでした。

 

次に、WDWは多様な国からゲストが訪れるので様々な訛りの英語を聞く機会が多くありました。その中でもインド訛りの英語を話すゲストとのコミュニケーションは、外国語として英語を学んだ自分にとって非常に苦労しました。英語の訛りで苦労した話として、強烈に記憶に残っているのはフランス語が母語である友人との会話です。彼と会話をする中で、急に「ありがとう」と言われて混乱したことがあります。しかし、会話の内容と流れを冷静に考えて、「ありがとう」と聞こえた単語はフランス語の発音の影響を色濃く受けた”Alligator”だということが分かりました。この出来事から様々な国の英語の訛りについて興味深いと感じるようになりました。

 

約半年間の留学、本当にあっという間で気付いたら帰国の1週間前になってしまっていました。フロリダでの日々は毎日がとても濃く、刺激と学びが尽きることのない日々でした。最後の出勤の日にもミッキー、ミニーと写真を撮ることが出来たのですが、ミッキー、ミニーの顔を見た瞬間にこれで最後だということを強く実感して涙が止まりませんでした。その後、コーディネーターから「あなたはみんなから愛されている、自信をもってこれから進んでいきなさい」と温かい言葉をかけていただき、お世話になった同僚とグループハグを交わしました。正直に言うと、泣きすぎてなんて言われたのか具体的には覚えてないのですが笑。大変なことも沢山ありましたが、それほどまでにフロリダでの日々、WDWでの毎日は私にとって非常にかけがえのないものになりました。あの夢のような日々と魔法で溢れた場所を離れたくはなかったけれど、フロリダでの経験はこれからの私の将来にとって必ず糧になると確信しています。

 

個人的な感想ですが、留学に行くと「海外での生活」と「英語でのコミュニケーション」に対する解像度が高まります。これから教員を志す皆さんには短期間でも十分ですので、目の前にやってきたチャンスを逃すことなく、留学に挑戦することをおすすめします。単に英語力の向上だけではなく、よりオーセンティックな授業づくりの役に立つかもしれません。

 

最後にプログラム参加までの流れを軽く紹介させていただきます。このブログを読んで、プログラム参加に興味を持った方の参考になれば嬉しく思います。

プログラム名:【バレンシア国際カレッジプログラム】

1.参加申し込み

2.広島大学でオンラインでの第1次試験(英語力測定・4技能)

3.Disneyから届くサイトで手続き(英文履歴書・カバーレターの作成)

4.大阪(東京)で第2次試験(Disneyの採用担当者による個別面接)

5.ビザ取得に関する手続き(書類提出、領事館でのビザ取得面接)

6.大阪(東京)でガイダンス、出発前講座

7.出発

(射撃体験)

(クリスマスパーティー)

(ケネディ宇宙センター)

(ゲーターランド)

(バスケ観戦)

(最終日)


(コーディネーターと@アトラクション;教英生は左)



(コーディネーターと@レストラン;教英生は中央)





教英では、これから以下の入試関連行事があります。教英の一員になって、みんなで英語教師を目指してみませんか。みなさんと一緒に勉強できることをスタッフ、在学生一同楽しみにしています!

 

9月:大学院入試(博士課程前期)

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)(学部入試)

2月:前期日程入試(学部入試)

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)

 

2024/06/01

米国大使館・総領事館のEnglish Language Fellow Programと教英で共催ワークショップを行いました!

先日、教英のKabir Russell Sarwar先生がコーディネーターとなり、在日米国大使館の英語教育の専門家であるClaire Lee先生を講師としてお招きし、米国大使館・総領事館のEnglish Language Fellow Programのワークショップを教英で共催しました。Claire Lee先生はアメリカでは英語の教員免許を持ち、12年以上英語教育に従事されました。アメリカ以外にも、南アフリカ共和国、ベトナム、中国、フィリピンでも指導経験がおありです。名門ウェルズリー大学を卒業後、ハーバード大学大学院にて教育学修士を取得されました。

 

今回は学部1年生から大学院生まで幅広い学年の教英生が参加しました。ワークショップの内容について、幅広いトピックのオファーがありましたが、参加者の希望が最も多かったTask-based Language Teaching(通称TBLTと呼ばれ、「タスクを中心とした英語教育」を指します)のワークショップを行ってもらうこととなりました。タスクを中心とした英語教育はまさに日本の英語教育で最もホットな話題の1つです。従来の文法説明や日本語訳中心の授業から脱却していくことが英語教員に求められています。

 

90分という限られた時間でありましたが、教英生にとってとても充実した時間となりました。このたび、このワークショップに参加したストレート院生(学部からそのまま大学院へ進学した方)と社会人院生(現職の中高の英語教員をされながら大学院に進学された方)の教英生にブログ用に記事を寄せてもらいました。それぞれとても貴重な学びの機会になったようで、嬉しい限りです。

 

 

 

 

 

今回のワークショップは、Task-Based Language Teaching(以下TBLT)について、①task とはどういったものか?、②taskをつくる、教科書の言語活動をtask化する、という流れで進行しました。

 

講師を務めてくださったClaire Lee先生のお話では、taskにはゴールがあり、学習者はゴール達成に向けてtaskをこなす。情報ギャップがあり、学習者同士での情報交換などを必要とする。また、taskは現実の活動と関連のあるものであり、教師はTBLTを行う際、学習者にシチュエーションを提示する。これらの要素があることで、学習者は言語内容を学習するだけでなく、言語内容を使ってやり取りなどの活動を行うことができます。

 

次に、taskをどのようにつくるかについて学びました。今回は、参加者(学部生、大学院生)が実際にJigsaw Readingというtaskを体験して、文法項目を学習するTBLT授業について学習しました。Jigsaw Readingの内容は、TBLT授業を6つのステップに分割し、個人がそのうちの1ステップについて説明された文章を読む、次に6人グループとなり各ステップで教師と生徒はどのような活動を行うかを共有するというものでした。この活動は情報ギャップがあり、参加者は自分が知らないTBLT授業のステップを互いに伝え合う活動を体験しました。

 

最後に、実際の英語の教科書を用いて教科書の活動をよりtask化することでTBLTの理解を深めました。英語教師は普段教科書を用いて授業を行いますが、授業を行う前に教科書などの教材分析は不可欠です。今回のワークショップでTBLTが教材分析を行う際の1視点であると学びました。教科書の活動では、ただ言語内容を使うことあるいは知ることに留まることもありますが、task化すると言語内容を使いながら学ぶということが可能となります。コミュニカティブな英語の授業が求められる日本の英語教育で、TBLTはその授業形態の一つであるといえるでしょう。

 

今回のワークショップは、学部一年生やその他学生が参加し、意見交換をしながら実際にTBLTを体験する中で、フレッシュな考え方が飛び交い学びの深いワークショップとなりました。講師を務めて下さったClaire Lee先生、司会進行をして下さったカビール先生に感謝の意を述べたいと思います。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

本日、Claire Lee先生のセミナーに参加しました。TBLTについては、今まで知識としては知っていたものの、「なんとなく理解している」という状態で、詳しく話を聞く機会はあまりなかったため、とても参考になりました。

 

まず、activity taskの違いについて、ペアで考えた後、先生から説明がありました。その中で、taskgoalが明確に設定されているものであり、学習したことを用いて生徒がアウトプットできるものであるということ、real worldと関係しているものであること、生徒自身が問題をどのように解決するかを決定できることという条件を説明していただきました。教科書にTaskというコーナーはよく載っていますが、その内容は、文法問題や英文和訳、英問英答などであることが多く、これは実際にはtaskの要素を満たしていないということが分かりました。自分自身が実際に授業で行っていた活動を振り返ってみても、taskの要件を満たしておらず、知らないうちにactivityになっていたものがあったことに気づき、今後taskを自分で考える際の流れについても紹介していただいたので、学んだことを実践できる日が楽しみになりました。

 

TBLTの考え方は近年浸透してきていますが、学校では教科書を用いて授業をすることが求められます。ここで問題になるのが、「どのようにして教科書を用いながらtask-basedの指導を行うか」ということです。その答えは、「教科書に載っているactivitytaskに変えて教えるとよい」ということでした。実際に教科書の発問をtaskに変える練習を通して、taskの要素を再確認することができました。

 

Taskを作ることの大切さは分かったのですが、実際に学校現場でどう教えるかを考えた際に気になるのは時間の問題です。Taskを行うのには時間がかかります。同じ学年の同じ科目を複数の教員で教えている場合、テストに向けて進度を合わせる必要があります。もしtaskを行う先生と教科書のみを進めていく先生がいた場合、taskを行う先生は大幅に進度が遅れるという可能性もあります。また、教科書の発問も教えていないと、テストでその発問が出題された時自分の教えているクラスの生徒だけが解けないということにもなりかねません。そのことについて質問したところ、「教科書全てをtaskに変える必要はない。また、taskを行いながら、教科書の発問すべてに答えるのも不可能であるため、taskを行う部分をpick upすればいい。」という回答を頂き、これならできると納得しました。

 

セミナー中の先生を観ていて気づいたことがあります。それは、今回のセミナーが授業形式になっていたということです。まず今回の目標(本時の目標)が提示され、導入として、taskactivityの違いを考えるという活動を行いました。その後、展開で実際にJigsaw Readingtask作成を行いながら、TBLTのポイントを確認し、最後にまとめと振り返りを行いました。また、Claire先生は、TBLTについて説明されながら、以下のテクニックを用いられていることにも気づきました。

1.         Think Pair Share

これはよく授業でも用いられる方法ですが、いきなり指名するよりもまず全員が個人で考える時間をとり、その後ペアで確認して、全体で共有することで全員が思考することができ、発表の際の心理的負荷も軽減できます。

 

2.         発表者にプレゼントを渡すこと

この方法により、まず発言してみたいと思う生徒も増え、外発的に動機づけを行うことができます。

 

3.         ICQ (Instruction Checking Question)の使用

英語で指示をした後、実際に生徒に活動をさせる前に、指示の内容(今からすること)について尋ねるもので、学習者は自分たちの理解を確認でき、教師も指示が伝わっているか確認できます。

 

4.         Thumbs up / down による意見の表明

「〇〇について賛成 / 反対だと思う人は挙手!」と授業中に教師が尋ねてもなかなか手が上がらないことも多いです。立てた親指を賛成なら上に向け、反対なら下に向けるという方法なら、その場で負担も少なく行うことができ、教師も前から意見を確認しやすくなります。

 

5.         隣の人の意見を発表させる

ペアワークをした後隣の人の意見を発表しました。このことにより、コミュニケーションをとる必然性が生まれ、よりしっかり相手の話を聞こうとするようになります。

 

6.         質問を付箋に書いてもらう

授業中に「質問ある人」と質問を求めても、ほとんどの場合なかなか質問が出ません。「今質問したら周りからどう思われるんだろう」という思いや、本当は聞きたいけど、「こんなこと聞いたら先生(友達)からどう思われるのだろうか」という思いから質問できない生徒もいます。このような生徒も含めて、全員から意見を集める方法として付箋に書かせて回収するという方法を取られていました。

 

このように、先生はただTBLTについて紹介して下さっただけではなく、教師側の視点から観察すると、実際に学校現場で使えるテクニックの例をたくさん(かつコッソリと)紹介して下さっていたと思いました。このような見方ができるようになったのも、学部時代の教英での4年間の学びのおかげだと思っています。この学びを学校で生かしたいと思うとともに、次回のセミナーが楽しみになりました。





 

 

 

 

カビール先生は現在、今回のように外部から講師を招いて英語教育について学ぶシリーズ企画を立案中です。普段の授業とはまた違った形で教英生が学べる機会がこれからますます充実していきます!

 

教英ではこれから以下の入試関連行事があります。教英で英語教師や英語教育研究者を目指してみませんか。スタッフ一同みなさんと一緒に勉強や研究ができるのを楽しみにしています!

 

9月:大学院入試(博士課程前期)

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)(学部入試)

2月:前期日程入試(学部入試)

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)


ただいま教育実習&教育実習観察中です!

教育学部での 4 年間のカリキュラムの中で最大のイベントと言えばやはり教育実習です。教英ではほとんどの学生が 3 年生のこの時期に教育実習を行います。 2 週間の教育実習を 2 つの附属学校で行い、計 4 週間の実習となります。   また、来年教育実習に行く予定の 2 年...