この度、学部3年生のO君が、初めての受験で英検一級に合格しました。英語学習の参考になるかと思い、O君に感想の執筆をお願いしたところ快諾してもらったので、ここにO君の感想を掲載します。
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この度無事英検一級に合格することができました。一発で合格できるとは思っておらず、合格が分かった時は嬉しさとともに驚きを感じました。
私は学科のプログラムで去年の春から夏にかけてイギリスへ数か月の留学をしましたが、そこでの経験が大きなカギとなったと思います。中高生の頃から英語を得意科目としていたのは事実ですが、それは実践的なコミュニケーション力とはかけ離れたものでした。短い間でしたが、海外での生活はそんな自分の中の間違った常識を覆してくれました。自分の英語力、延いては英語力とはそもそもどういうものを言うのかを考えることが多くなりました。そんな中、自分の中でも表現力が伸び、総合的な英語力が高まっているのが見てとれ、これまでにないモチベーションとなりました。
帰国後もその意識はうすれず、絶えず英語力を伸ばすための工夫を自分なりにしていました。ニュースサイトや読書などで英語を毎日「読む」こと、映画やドラマ、ニュースを「聞く」こと、大学の授業やひとりでいる時さえ、英語を「話す」こと。これらのことを極力心がけていました。(ライティングに関して何もしていなかったのが反省点です。)
ただし、この時点では英検を受けることなど全く考えていませんでした。ですが、こういったことを続けるうちに、自分の英語力がどれくらいなのか、それを示すものを持っておきたいと思うようになり、これが英検を受けるきっかけとなりました。それ以降、英検準一級、一級を取得したのでした。
さて、英検一級のためにしたことですが、上記のように日頃からR、L、Sのトレーニングを持続したのが一番効果的だったと思います。英検一級ともなると内容はかなりアカデミックになり、大学受験レベルの英語力では歯が立ちません。そのため、試験のための対策よりも前に、根本的な英語力を築く必要がありました。その方法は人によって様々ではあると思いますが、私の場合は上記のようなことを極力かかさずにいわばルーティンとして行っていました。もちろん今も続けています。
試験対策としては過去問を数問解いて時間配分やリスニングの問題形式を確認した程度です。また軽視しがちであったライティングの対策も少し実施しました。二次試験に関しても特別なことはしていません。過去問を見ながらひとりでぶつぶつ話したり、誰かに聞いてもらったりした程度です。
これらの経験から思ったことは英検一級のために必要な力は基本的な英語力です。試験力ではありません。日頃の学習がものを言います。また、英検一級やTOEIC満点など世間で多少評価を受けているようですが、その先に目指すべきものは無限にあると感じます。英語を生業をする人たちのレベルは英検0級、TOEIC1200点と言われています。その先にはネイティブという究極の存在がいます。いくら努力すれども、目指すべきものは常に手の届かないところにあります。一見終わりのないしんどいレースのように思われますが、これが生涯を通じて学んでいける言語学習の魅力だと思います。
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それにしても「英検一級のために必要な力は基本的な英語力です。試験力ではありません」というのは至言だと思います。また、「英検一級やTOEIC満点など世間で多少評価を受けているようですが、その先に目指すべきものは無限にあると感じます」というのもその通りです。
試験の合格や高得点獲得だけを目的にして問題集解くことしかしない(そして目的達成したら自慢ばかりする)のではなくて、日頃から自分の生活の中に英語使用を組み込むことで人生を豊かにし、時折、試験で自分の英語力の公的証明をもらうというのが王道だと私も考えます。
自分の人生と社会を豊かにする英語学習を目指した英語教育を推進したいと思います。
ともあれ、O君、おめでとうございます!
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