2019/12/19

大学院の授業のご紹介(その1)


すでにご存じの方もおられるかと思いますが、広島大学大学院教育学研究科は来年度から人間社会科学研究科として新しいスタートを切ることとなります(教英HPにも新しい名称を掲載しています。どうぞご覧ください)。
http://dele.hiroshima-u.ac.jp/


名称は変更となるのですが、教英大学院はもちろん顕在です!進学をお考えの方がおられましたら、ぜひご検討ください!教員、学生一同、皆様のご入学を心よりお待ちしています!


さて、教英では、これまでも、そして新しい研究科になっても、英語教育はもちろんのこと、英語学や英語文学の観点から英語教育について考える授業が開講されています。今回は、管理人の大学院の授業内容についてご紹介いたします。


管理人は、英語学という観点から英語教育について考える授業を担当しています。ここ数年は、言葉の創造性ということをキーワードとしています。創造性というキーワードは、英語教育のみならず教育全般でここ最近よく目にするトレンド・ワードになっていますよね。


言葉の創造性といっても、高尚な文学作品から日常会話で見られるダジャレまで、様々なものがあると思います。管理人の授業では、ここ数年では、どちらかというとポップ・カルチャーにスポットを当て、絵本の言語、SF小説の言語、言葉遊びの言語、二次創作について専門書を読みながら、言葉の創造性について授業で一緒に勉強し、英語教育について考えてきました。これらの教材を学校の英語の授業で使いたいと考えている先生は多いと思うのですが、その言語的特徴などについてはまだあまり研究されておらず、専門書も少ないのが現状です。学習者の創造性を高めるにはどのような教材がよいのか、授業で扱う際にはどのような注意点が必要なのかなど、考えなければならないことはまだ山積しています。


来年度も新研究科の授業の中で言葉の創造性について引き続き考えていく予定です。みなさんもこの楽しくもあり挑戦的でもある問題に一緒に取り組んでみませんか。なお、まだ授業で扱ってはいないのですが、ラブソングやTVゲーム、コマーシャルなど、様々なジャンルの英語が目下研究されています。これらの言語研究の成果を活用して、英語の授業をより活性化できたらと思っています。


最後に、ご参考までに管理人の授業で使用したテキストをご紹介しておきます。いずれも難解な本ではあるのですが、英語はもちろんのこと、言葉の創造性、英語教育について大いに学ぶところがありました。




2019/12/05

エディンバラ留学報告会&来年度参加予定者への説明会を行いました


今年の4月から7月までイギリスのエディンバラ大学に留学した学生による留学報告会が行われました。英語力はもちろんのこと、国際感覚や異文化理解などで大きく成長して戻ってきてくれました。みんな、とても有意義な生活を送り、いろいろな経験を積み重ねてきてくれたようで、うれしい限りです。

また、この報告会は、1年生(来年度の4月にこの留学プログラムに参加する予定の学生)に向けての留学説明会も兼ねています。実際に、エディンバラ大学での生活を話題の中心にしながら、現在参加を希望している1年生に貴重な情報を提供してくれました。このブログの管理人からは事務的な説明は行っているのですが、やはり実際に生活してきた人からの話は違います。エディンバラでの大学生活について具体的にイメージすることができたのではないでしょうか。

それにしても、もう次の1年生が留学に向けて準備を始める時期となりました。1年が経つのはとても早いですね。

ちなみに、エディンバラ大学への留学プログラムは、単なる語学留学ではなく、英語教育やイギリス文学についても専門的に学ぶことができるユニークなプログラムです。英語教育については、指導法などを中心に学習者にコミュニケーション能力を育成するためにはどのような活動を行うのがよいのか、といったことについて考えていきます。イギリス文学については、実際に劇場でシェイクスピア劇を観たりするなど、作品が生み出された地で作品を肌で感じながら学ぶことができます。日本で学ぶ形とはずいぶん違い、格別です!

受験生のみなさん、このようなユニークな留学プログラムのある教英で一緒に学びませんか。スタッフ一同、みなさんをお待ちしています!

2019/11/13

E-Stormで1年生が模擬店と室内ゲーム企画を行いました


少し時間が経ってしまいましたが、112日と3日に、広島大学で大学祭・ホームカミングデーが行われました。その中で、毎年教育学部では、オリジナル企画として、E-Stormという企画を行っています。巨大迷路や工作、落書きなどをはじめとして子どもを対象にした企画が多く、毎年親子連れの皆様に好評を得ています。

教師になる上で、子どもとの接し方、企画を通して仲間との協力の仕方はとても重要です。E-Stormは企画段階も含めて、こういったことを学ぶことができる貴重な機会にもなっています。

今回、教英1年生が、模擬店と室内ゲームを行いました。写真にはぼかしを入れているので、分かりにくいかもしれませんが、おそろいのユニフォームを着て(教英では、各学年でおそろいのTシャツやパーカーなどを作り、このような行事の時にはそれを着て活動します)元気に頑張りました。おかげさまで、たくさんのお子様連れの方に来ていただきました。

模擬店はベビーカステラを販売しました。3つのフレーバー+ミックスが販売されました。管理人はミックスをいただきました。非常に美味でした!





室内ゲームはボーリングとゴム鉄砲を楽しんでもらうものでした。教英らしくちゃんと英単語を勉強できる仕掛けになっていたんですよ!







高校生のみなさん、教英に入って一緒に勉強しませんか。愉快な先輩たちがみなさんを待っています!

2019/11/01

教英施設潜入シリーズ!第3弾:教英図書室のご紹介


教英には図書室があり、英語教育に関する貴重な書籍や雑誌がたくさん所蔵されています。その数は、日本の大学の中でも屈指の数字です。

学部生、大学院生はもちろん、教員も図書室の本を借りて、研究・勉強に利用しています。また、資料を利用するために、時として他大学の先生が来られることもあります。

みなさん、教英で一緒に学びませんか。スタッフ、在校生一同、みなさんが教英の一員となってくれることを楽しみに待っています!

以下は教英図書室の写真です。英語教育に関するいろいろな書籍を利用できます!




2019/10/24

卒業論文中間発表報告会を開催しました


本日、4年生による卒業論文中間発表報告会を開催しました。分野別に3会場に分かれて実施しました。それぞれが、英語教育にとって重要な課題に対して独創的なアプローチで取り組んでいる様子がうかがえました。質疑応答の時間には学生も積極的に質問をし、発表者も落ち着いてしっかりと応答していました。


4年生はこれから一気に卒業論文執筆モードに入っていきます。卒業までもうすぐですね。


また、3年生は年明けにはゼミ配属も決まっていきます。令和元年度もいよいよ後半です。


みなさん、体調に気を付けながらしっかりとがんばっていきましょう。


以下、発表会の写真です。








2019/10/01

エディンバラ大学留学プログラム体験記


教英には2年次にイギリスのエディンバラ大学へ15週間の留学プログラムがあります。1年生は10月頃から準備等を始めて、2年次の4月から7月にかけてエディンバラ大学で英語はもちろんのこと、英語教育、イギリス文学についてホームステイをしながら学びます。このたび、今年このプログラムに参加した2年生(2ヶ月前に帰国)に留学体験記を寄せてもらいました。とても大きく成長してくれたようで、うれしい限りです。写真も提供してもらいました(この記事の最後には、掲載しています)。イギリスの景色、料理、そして教英の学生と他の国からの留学生、エディンバラ大学の教員スタッフとの集合写真です。写真ではぼかしが入っていてわかりにくいのですが、様々な国の人たちと異文化コミュニケ―ションをしながら、学ぶことができたようです。以下、学生に寄せてもらった留学体験記と写真です。



私は、今年度の4月から7月末までの約4カ月間、スコットランドのエディンバラで留学生活を送ってきました。正直なことを述べますと、この留学プログラムに参加するかどうか〆切の直前までとても迷っていましたが、留学を終えた今、「行ってよかった」と強く感じています。


・学校生活について

学校の授業は、他国(韓国・中国・タイ・カザフスタンなど)から留学に来ている生徒たちと受けるものと、教英生のみで受けるものの2つがありました。

前者は、Reading, Listening, Writing, Speakingの技能を様々な活動を通して磨く授業でした。日本での授業とは異なり、グループ活動やディスカッション、プレゼンテーションが多く、自分の意見を発する機会、また他者の意見を聴く機会が多くあったように思います。授業を通して、たくさんの他国から来た留学生とも知り合うことができました。今でも、SNSを通じて、連絡を取り合っています。

後者の教英生のみの授業は、発音、文学(昔話やShakespeareの遺した文学、詩など)、英語教育において必要な知識、そして授業づくりを学びました。これらの授業では、まず教室で基本的なことを学び、その後、様々な活動に取り組みました。学校外に出てアンケートをとり、その結果をまとめて発表したり、1つの文学作品や詩を選んで読み込み、そのあらすじと自分なりの解釈を発表したり、授業の計画を立てて、実際に授業をしたりなど、多岐にわたっていました。


・ホームステイについて

私のホームステイ先は、host mother2人きりという家でした。最初のうちは緊張して、あまり話すことができなかった私ですが、慣れてくるとhost motherと話す時間が楽しみになり、次第に話す時間が増えていきました。ステイ先での会話を通しても、自らの英語力が向上していることを実感することが出来ました。

また、イギリスの家庭料理を味わうこともでき(イギリスの料理は美味しくないというイメージがあるかもしれませんが、私はそんなことないと思いますよ!!!!!!!)、料理という観点からも、文化の吸収をすることができました。ちなみに、私のお気に入りはFish & ChipsHaggis(スコットランドの伝統料理)、そしてhost motherの作るラザニアです! その他にも、スコットランドでの生活スタイルや、伝統をホームステイ先で感じ、学び取ることができたように思います。


・学校外の活動について

エディンバラでの生活は自由時間も多く、様々な場所を訪れました。放課後はエディンバラの街の散策を、週末はイギリスの何処かへ旅行をしていました。

4カ月間で、イギリスでは約20か所、ヨーロッパは4ヵ国ほど、見て回ってきました。

実際に見ることで、また経験することで、印象がより強くなり、私の記憶に刻み込まれています。

また、どこに行っても、現地の人が優しく助けてくださり、人の暖かさを再認識する良い機会になりました。私自身ももっと人に対して寛容に、そして暖かさを備えた人間になりたいと感じました。


「日本でも学べることばかりじゃないか」

確かに、そうです。インターネットを介して、また本を通して。

学ぶツールは幾らでもあります。

しかし、実際に見て、触れて、聴いて、匂って、味わって。

そうしないとわからないことの方が多いのです。そうした方が、印象により残るのです。

日本にいても、英語は学べます。

しかし、実際に英語が日常生活に根付いている中で生活してみると、更に様々なことが見えてきます。現地に行って、常にアンテナを張り、様々なことに気付くこと、心を動かされることが留学生活の醍醐味なのではないでしょうか?


この4ヵ月間で得た貴重な経験を、私の今後の学習や生活に生かすとともに、周囲に還元していきたいと強く思います。また、更に学びを深め、イギリスに、スコットランドに、もう一度戻りたいと強く思います。

終わりになりましたが、私たち教英30の留学生活に携わり、支えてくださった皆様に感謝を申し上げ、私の留学体験記を終わりたいと思います。

この留学プログラムに参加するか迷っている方だけでなく、留学するか迷っている方々の目に、この記事がとまりますように。


最後まで読んでいただき、有難うございました。





2019/09/26

修士論文中間発表会を行いました


本日、13名の修士課程2年生が修士論文の中間発表を行い、現在の発表の進捗状況と今後の展開の計画についてプレゼンテーションを行いました。下に発表題目を掲載しています。トピックが非常に多岐にわたっています。どれも大変ユニークで挑戦的な研究でした。今後の研究の進展が楽しみです。



・英語ライティング活動における外国語学習者の自尊感情研究:ピアフィードバックに焦点を当て ピアフィードバックに焦点を当て

・英語科教職課程履修生による発問作成のプロセスに関する研究

ZPDに関するケース・スタディー:小学校外国語活動におけるロール・プレイ中のscaffoldingの効果

・日本の小学校における絵本の読み聞かせに関する英語教師認知の研究

・タスクベース指導におけるタスクの配列:教科書を用いて

・リーディングの授業における語彙的結束性の指導に関する研究:中国の中部地域の高校に焦点を当てて

・日本人英語学習者と中国人英語学習者による移動の表し方の比較研究

・高等学校英語教科書に含まれる文学教材の文体論的分析

・中学生によるやりとりにおけるコミュニケーション・ストラテジーに関する研究

・オートエスノグラフィーを通した若手助言者の成長の研究:苦境に着目して

・日本人英語学習者による「断り」発語行為の理解

・⽇本⼈英語学習者のForeign Language Enjoymentに関する研究

・中高英語教科書で用いられる二重目的語構文の頻度分析:用法基盤モデルに基づいて



以下は、発表会の様子です。修士論文もいよいよ佳境ですが、満足のいくものを完成させてもらいたいと思います。




大学4年生のみなさん、現職の英語教師のみなさん、一緒に教英で英語教育について研究をしてみませんか?先日、9月の入学試験が終わりました。次の入学試験は2月にあります。スタッフ一同、みなさんをお待ちしています!

2019/09/17

教英施設潜入シリーズ!第2弾:旧LL/CALL教室の今

1弾からずいぶんと時間が経ってしまいました。。。今回は第2弾として、ある教室についてご紹介します。かつては、LL教室、CALL教室(年代によって呼び名が違いますね)と呼ばれていた教室です。

新入生オリエンテーションや卒業証書授与式、そして年代によってはLL演習などの舞台となってきた教室です。スマホやiパッドなどの時代となり、現在ではこの教室からはコンピュータなどはなくなりました。すっきりとしていますね。




でも、教室奥のコンソールはまだ昔の面影があります。



教英OBの方にとっては多くの思い出のある教室だと思います。形は変わりましたが、今でも新入生がこれからの4年間の期待を膨らませる場、そして卒業生が充実した教英生活4年間を振り返る場となっています。

高校生のみなさん、教英で一緒に学びませんか。スタッフ、在校生一同、みなさんが教英の一員となってくれることを楽しみに待っています!

2019/09/04

15th International Cognitive Linguistics Conferenceでの院生の発表


8月6日から11日にかけて関西学院大学で行われた認知言語学に関する国際学会で発表を行った院生が記事を書いてくれました。彼は、日本人英語学習者と中国人英語学習者は移動についてどのように英語で表現するのか、それはどの程度英語的な移動の表し方であり、さらにどの程度自身の母語における移動の表し方に影響を受けているのか、というとても興味深いテーマに取り組んでいます。今回の国際学会での発表を通してたくさんのことを得たようでとてもうれしい限りです。どんどんと研究を進めていってくれたらと思います。


I had the honor to attend the 15th International Cognitive Linguistics Conference held in Nishinomiya, Japan in August. It was an eye-opening, thought-provoking experience for me.

The conference this time was a five-day journey, longer than usual academic conferences. Cognitive linguists and young scholars, mainly from Europe, gathered together to present their edging research and give informative talks, which centered on cross-linguistic perspectives on cognitive linguistics, the theme of the conference. Apart from my presentation, I was a listener for most of the time but not a silent one. I was blown away by many of the interesting research going on in the field of cognitive linguistics. For example, a group of Ph.D. students from the University of Edinburgh presented their study of evolinguistics by employing VR. Evolinguistics is a newly born research area, which focuses on the evolutionary process of language. Using VR, they designed an experiment that showed the participants a fictitious world with different typography to test how people use directional deixis in line with different typography. Another very impressive study was from an authoritative gesture researcher, Sotaro Kita. He spent years studying the relationship between language and gesture. He reported his latest research about how left hand gestures can enhance metaphor explanations to offer the proof that gestures influence language in return as language influences gestures. The conference provided all the participants with a stage to exchange ideas and resources, so every day of the conference opened a new world for me. I really learned a lot by the end of the conference.

Fortunately, I was not only a listener but also a presenter. I gave my poster presentation on the second day of the conference. Standing in front of the board, I got asked a lot of questions, some of which were very challenging, totally out of my expectation. But these questions became the take-home messages for me to improve my research. Most excitingly, I had the chance to talk with a professor whom I have been citing in my own research. She gave me some useful resources to refer to in my future research. I was too elated to even express my gratitude, in hindsight though.

Lastly, I was also overwhelmed by the fact that cognitive linguistics is amazingly popular in Japan. Young Japanese cognitive linguists were very active and passionate. Some Russian scholars told me in the conference dinner that they heard cognitive linguistics is most thriving in Japan, so they decided to come to Japan for the conference all the way from Moscow.

As a novice researcher, there is a long way to go. But the experience this time has laid a good foundation for me to continue my research and encouraged me to think with multiple perspectives. 

2019/08/23

第45回全国英語教育学会での院生の発表

8月17日から18日にかけて、弘前大学文京町キャンパスにて、第45回全国英語教育学会弘前研究大会が行われました。全国英語教育学会は、英語教育に関する国内の最も大きな学会の1つで、大学院生にとっては院生生活の中の大イベントの1つです。今年も多くの院生が参加しました。

今回この学会で研究発表を行った院生に記事を書いてもらいました。学会発表は自分の研究についていろいろな助言をもらえる貴重な機会です。教英では、例年たくさんの院生が様々な学会で研究発表を行っています。今年度はまだ多くの学会が残っていますので、積極的に研究成果を発表してほしいと思います。以下、院生に書いてもらった記事です。有意義な機会となったようで、何よりです。



この度第45回全国英語教育学会(青森大会)にて、「Exploratory Practice(探究的実践)の概念からとらえる若手メンターの成長―メンターの自己内省がもたらす自身への深い理解―」という題目で発表させていただきました。私は6年間の高校教師生活を経て大学院に入学し、今年2年目を迎えます。自身の研究を発表するのは初めてで、緊張感をもって大会に臨みました。
当日は20分間のパワーポイントのスライドを用いての口頭発表、及び5分間のQAの時間が設けられていました。発表前は不安も感じていましたが、オーディエンスが10人くらいと比較的少ないこともあったのか、非常に和やかな雰囲気で発表及びQAが行われました。
学会発表を通し、普段関わりのない人たちが私の研究にどのような印象を持つのかということを、私自身が知ることができ、自分の研究を客観的に見つめなおす機会になりました。また研究者の方、現場の先生問わず共通の問題意識を持つ人達と知り合いになり、交流の幅が広がったことも貴重な経験でした。学会発表はチャレンジングですが、それ以上に成長する機会を私にもたらしてくれたことを実感しました。
今後とも学会に参加することで自分の見識を広め、研究の内容を更に深めていきたいと思います。


2019/08/07

広島大学英語教育学会「スピーキングワークショップ ―「交渉」につながる「やりとり」―」のまとめ


少し遅くなってしまいましたが、去る728日(日)に開催されました広島大学英語教育学会のワークショップについてご報告いたします。高校生、中高の先生方、指導主事の先生方を含めて103名もの方々にご参加いただきました。遠いところご参加いただきまして、改めて御礼申し上げます。

ワークショップの司会をしてくださった樫葉みつ子先生に、今回のワークショップについて総括をしていただきました。



good listenerになる、詳しく説明する、論理的に話す、等の活動の体験とその解説によって、中高校生が「交渉」を目的とする「やり取り」ができるようにすること、及び、指導者がその指導法を理解することを狙いとしたワークショップでした。参加者は終始熱心に活動に参加し説明に耳を傾けていました。会場一杯の高校生から大学の教員までの多様な参加者が、初対面にもかかわらず、懸命に自分の考えを伝え合い、折り合う点を探して英語使用を楽しんでおり、その活動の様子は壮観でした。終了後に感想を一部の参加者に尋ねたところ、「意見、事実、理由」のようなわかりやすいフレームワークを指導することから、だんだんと意見を言わせるという段階性があるので、教員である自分にも取り入れられるのではないかと感じたとのことでした。交渉を目的とする「やりとり」の力をつける指導は、英語能力の高度化のために、これから目指すべきものの一つと言えます。その先鞭をつけるようなワークショップを講師の千菊先生のご協力で開催でき、とても有意義な会となりました。




広島大学英語教育学会は毎年7月後半に開催しております。来年度も有意義な企画を立てていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。







2019/07/28

2019年度広島大学英語教育学会は大盛況のうちに終了いたしました


本日、広島大学英語教育学会を参加いたしました。多数ご参加いただき、誠にありがとうございました。おかげさまで大盛況となり、英語教育について理論と実践の両面から考えるまさに「教英スタイル」を体現したような一日でした。

まずは会長の深澤先生から挨拶をいただき、本学会の歴史について説明いただきました。若い方にもこれからぜひこの歴史をさらに紡いでいってほしいと思います。



午前中は宮崎県立宮崎西高等学校附属中学校の山路理恵先生と広島大学大学院教育学研究科院生のStella Anggrainyさんの研究発表が行われました。2件とも刺激的な発表内容で、質疑応答も大変アカデミックなものとなりました。今後の研究の展開がとても楽しみです。





午後は千菊基司先生によるスピーキング活動に関するワークショップでした。高校生から大学教員まで幅広い方にご参加いただきました。明日からでも使える大変実践的な内容でした。ワークショップでは実際にスピーキング活動も体験させてもらいましたが、大いに盛り上がり、非常に有意義な時間となりました。相手の立場を考えつつ話すことができる英語スピーキング力をどのように伸ばしていくのか、様々な世代が一緒になって考えることができました。




あっという間の一日でした。また来年度も面白い企画を組んでいきたいと思いいますので、どうぞご期待ください。次回も多数のご参加をお待ちしております。

2019/07/10

2019年度広島大学英語教育学会プログラムが決まりました:7月28日(日)

7月28日(日)に開催される広島大学英語教育学会のプログラムが決まりました。プログラムは以下の通りです。ふるってご参加ください。


2019年度(第2回)研究発表大会・総会のプログラム

日時:2019728日(日)1020分〰1510

場所:広島大学教育学部(東広島市鏡山一丁目1番1号)


第一部 学会員のみ参加可能 L102教室

09:50-10:20 受付

10:20-10:30 開会式

10:30-11:30 理論志向部門・研究発表

司会:築道 和明(広島大学教授)

登壇者:

山路 理恵(宮崎県立宮崎西高等学校附属中学校教諭)

「経験ある英語教師の教科書使用に影響を与える要因」

Stella Anggrainy(広島大学大学院教育学研究科大学院生)

A Case Study on the Zone of Proximal Development: Scaffolding Role-Playing in Primary School English Language Teaching in Japan

11:30-13:00 昼食

13:00-13:30 学会総会


第二部 一般市民(非会員)も参加可能 K102教室

13:30-15:00 実践志向部門・ワークショップ

司会:樫葉みつ子(広島大学准教授)

講師:

千菊基司(広島大学附属福山中・高等学校)

英語スピーキングワークショップ「「交渉」までつながる「やり取り」」

15:00-15:10 閉会行事


理論志向部門・研究発表要旨

題 目:経験ある英語教師の教科書使用に影響を与える要因

発表者:山路 理恵(宮崎県立宮崎西高等学校附属中学校教諭)

本研究は、経験ある英語教師の教科書使用に影響を与えている要因を追究することを目的とする。教科書は,教師と学習者に言語材料と言語活動を提供する有益な役割を担う一方で,使用が義務付けられている教師にとっては拘束するものとなる。指導法をもとに教科書をいかに活用するかは,多くの教師の悩みであることが報告されている。先行研究では,学習経験、現職研修、授業実践を囲む外的な要因と言語教師認知が相互に影響していることが明らかになっている。しかしながら、様々な文脈で研究を蓄積していく余地があるとされている。そこで本研究は、4名の経験ある中学校英語教師を対象とした。調査では、授業観察および半構造化面接を行った。データは,複線径路・等至性モデル(TEM)を用いて分析した。その結果、教師の学習経験、現職研修,外的な要因と同様に、情意面での経験が大きく影響していることが示された。本研究で明らかになったこれらの要因は、現職研修と教師教育のあり方を検討する上で,有益な情報となると考えられる。


題 目:A Case Study on the Zone of Proximal Development: Scaffolding Role-Playing in Primary School English Language Teaching in Japan

発表者:Stella Anggrainy(広島大学大学院教育学研究科大学院生)

The aim of this ongoing study is to analyze the scaffolding given to help a Japanese primary student to understand and be able to answer questions during English conversation. Previous studies show scaffolding is mostly activated during task activities (Wood et al, 1976; Walqui, 2006; Bradley & Bradley, 2004) and little is known about scaffolding methods used during conversation. This study used role-playing conversation and scaffolding was given in English instead of the mother language. The participant was a sixth-grade Japanese primary student who was given a role-playing situation where he met a foreign tourist. The researcher played the role of a foreign tourist who asked him questions, with facilitative scaffolding to enable him to understand and to answer the questions. This activity was repeated for several days, by adding new questions with a higher difficulty level. The scaffolding was gradually reduced for the questions that had been mastered. The researcher video-recorded and transcribed the role-playing conversation, and the occurring scaffolding was coded. A Conversation Analysis is currently conducted to find the most helpful scaffolding pattern to help students understand and answer the challenging questions.

午後に開催されますワークショップにつきましては、一般公開となっております。詳しくは以下のリンクをご参照ください。皆様のご参加をお待ちしております。
http://hirodaikyoei.blogspot.com/2019/07/2019728.html

2019/07/02

2019年度広島大学英語教育学会公開ワークショップのご案内:7月28日(日)


728日(日)に開催される広島大学英語教育学会において、広島大学附属福山中・高等学校の千菊基司先生を講師にお迎えし、生徒の英語スピーキング力を伸ばすための活動に関するワークショップを行います。一般公開ですので、学会員の方でなくても無料でご参加いただけます。教育学部を目指している高校生、現在英語教育について学んでいる大学生、現職の英語科教員、その他英語教育に関心がおありの一般の方を対象としております。ふるってご参加ください。

・日時:2019728日(日)1330分~15時(予定)
・場所:広島大学教育学部K102教室(東広島市鏡山一丁目1番1号)
・宿泊を予定されている方は、お早めに宿泊先をご手配ください。

なお、詳細につきましては、以下のファイルをご覧ください。皆様のご参加をお待ちしております。



教英HPも合わせてご参照ください。
http://dele.hiroshima-u.ac.jp/614

2019/06/26

教英1年生の3ヶ月間の教英生活の振り返り

1年生のH君が、教英での3ヶ月間の生活を振り返ってくれました。管理人は、第4タームに1年生用の授業があるのですが、その時にみんなに会えるが楽しみです。充実した教英生活を送ってくれているようで、とてもうれしいです。

教育学部英語文化系コース(以下教英)は様々な経験をしてきた仲間たちや先輩方と、英語教員に求められる能力を楽しく身につけることができるコースです。教英にはたくさんの個性を持った仲間たちが集まっています。海外留学をしたことがある人、海外に一度も行ったことのない人、中学校や高校で働くことを目指す人、それ以外の職を目標に掲げる人、などなど本当に十人十色であり、教英の私たちはそんな仲間たちと切磋琢磨し、また協力して学びを深めています。また、教英最大の特徴の一つが、先輩方とのつながりの強さです。入学直後に行われるオリエンテーションキャンプ(通称オリキャン、FWT)など先輩方が運営してくださるイベントを通して同学年のみならず先輩方ともつながりを持つことができ、これは他の学部にはなかなか無い、教英の魅力です。この他にも、私たちをやさしく導いてくださる先生方、教英独自の留学プログラムなど、英語教員になるには本当に素晴らしい環境が整っており、教英での生活はとても充実しています!


高校生のみなさん、教英で一緒に学びませんか?楽しい先輩たちがみなさんを待っています!

なお、7月28日(日)には広島大学英語教育学会を開催します。ぜひご参加ください。



2019/06/17

教英施設潜入シリーズ!第1弾:大学院生室のご紹介


広島大学の中には教英生が主として使用する施設がいくつかあります。これから何回かに分けて、教英施設を紹介していきたいと思います!

まず第1弾は、教英の大学院生が使用する院生室のご紹介です。教英では、合計で3つの大学院生室があります。院生はそれぞれ机と椅子が与えられ、そこで授業の予習・復習を行ったり、研究用に文献を読んだりします。また、共有のPCやプリンターもあります。(もちろん、インターネットも使用可能です)

本棚には英語教育に関係する資料も置かれており、自由に利用できます。また、撮影した時間帯はたまたま院生があまりいませんでしたが、各部屋には英語教育に関する様々な問題意識をもった学生がたくさんいますので、英語教育についてお互いに活発な議論や情報交換がなされています。

みなさんも教英の一員になって、よりよい英語教育について一緒に考えてみませんか?

以下、院生室の写真です。みなさん、真剣に研究に取り組んでおられます。




なお、7月28日(日)には広島大学英語教育学会を開催します。ぜひご参加ください。

2019/06/04

大学院のゼミ紹介(通称「特研」について):方法学編その2(深澤・築道ゼミ)

特研紹介シリーズも今回が最終回となります。最後は、現在最も多くの大学院生が所属している深澤・築道ゼミを紹介したいと思います。所属している院生が、紹介文を寄せてくれました。前回紹介した松浦ゼミもそうですが、「ザ・英語教育学」とでも言いましょうか、花形の領域の中で、各自がオリジナリティあふれるユニークな研究を行っています。

英語教育学特別研究(第二言語習得・英語教授過程領域)では、毎週、担当の院生23名が自身の修士・博士論文進捗状況について発表をしています。他のゼミに比べて留学生も非常に多く、先生と学生、国籍なども関係なく、和気あいあいとした雰囲気の中で議論が進められています。それぞれの研究テーマは多岐に渡り、様々な視点から実際の教育現場に貢献しようと研究を進めています。特研では、院生の発表に対し、先生方だけではなく他の院生からもコメントや質問が飛び交うため、非常に議論が深まります。また、学生同士の学び合いの機会は特研内だけに留まりません。発表の準備をする段階から、学生同士で自身の研究を見せ合い、より良い研究にするために話し合います。ゼミに所属する全員がそれぞれ異なった価値観や学習経験、背景知識を持っているため、一つの研究に対して多角的な視点から学ぶことができます。さらに、自分の研究内容とは異なった研究について議論することで、より知識が広がります。その知識は結果的に、自分の研究にも生かすことができます。このような学習サイクルが確立された大学院生活を通して強く感じられるのは、研究は一人だけで完結するのではなく、先生方や他の学生から刺激を受けながら、みんなで高め合っていくものだということです。

また、このゼミに所属している留学生の方も紹介文を寄せてくれました。英語の文章ですが、ここは教英ブログですので、そのまま載せちゃいます!

It was my first time abroad when arrived in Japan last year, in spring. I was so excited to get a glimpse of Japanese cherry blossom and experience the wonderful culture of Japan which I had heard so much about. My only worry was speaking and understanding Japanese, as I had not studied Japanese language before. However, upon my arrival, I realized how promising and accommodating Japan is, despite the language barrier. My stay in Japan so far has been wonderful, exciting, busy, yet amazing. This April, I officially started my master’s course in Curriculum Development and Instructional Science. My supervisor, all the other professors of the department, the senior students and also my classmates have always encouraged me to meet my expectations. In my department, abundance of research is carried out by fellow students, representing various fields of education. Tokken is held every Thursday morning, which gives the scholars the opportunity to present details of their research within the study group. This initiates discussions, which I consider to be extremely beneficial as we can focus on the problematic areas of our research and receive valuable suggestions and critiques to enrich our studies. Students are also provided with a comfortable space to work on their research, where we can study while enjoying some snacks and good coffee. I am so glad and proud of being a graduate student in Hiroshima University. Joining this university is one of the best decisions I ever made in my life.

特別研究以外の院生生活についても語ってくれていますね。近日中に院生室をはじめとした教英の施設についても紹介していきたいと思います!最後にゼミ風景の写真です!




なお、7月28日(日)には広島大学英語教育学会を開催します。ぜひご参加ください。
http://hirodaikyoei.blogspot.com/2019/05/2019728.html 


大学院新入生ガイダンスを行いました

学部に引き続き、大学院新入生ガイダンスも行いました。新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます! こちらは学部と違って、やはりみなさん大人の落ち着きがあります!学部から大学院にそのまま進学した人、一度学部を卒業してしばらく教員をしてから大学院に戻ってきてくれた人など様々です。各...