2022/09/28

大学院1年生の前期の振り返り

早いもので広島大学では来週から後期がスタートします。この度、修士課程1年生の学生に前期の振り返りをしてもらいました。充実した大学院生活を送られているようで、スタッフとしてうれしいかぎりです。以下、学生に書いてもらった振り返りです。

 

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私は他大学から広島大学大学院に入学しました。最初は慣れないことも多く戸惑うこともありましたが、充実した大学院生活を送ることができています。私の前期の大学院生活の体験談を通して、大学院がどのようなものか少しでもお伝えできればと思います。

 

広島大学ではクォーター制が導入されており、前期・後期をそれぞれ半分に分けた第1タームから第4タームまでの4タームで授業が行われています。各タームで週2回授業が行われるターム科目と、前期・後期の区分で週1回授業が行われるセメスター科目があり、多くはターム科目となっています。1週間で2コマ授業が進むので、次の授業までの予習復習の量が多く、慣れるまでは大変でした。しかし、その分1ターム内で学ぶ科目は少ないので、それぞれの科目を集中して学ぶことができていると思います。私は、前期は授業が週に3.4日だったので、授業がない日に課題や予習を行っていました。

 

授業では、大学と比べてより専門的に学ぶことができます。教養科目では、様々な専門の先生方から幅広く学ぶことができ、自分の専門と結び付けて考えながら学びを深めることができます。特に、私は大学が教育学部ではなかったので、教職に関する科目が充実している印象を受けました。他の専門の学生とも同じ授業を受けるので、それぞれの専門の立場から様々な意見を交わすことができ、英語科について改めて考えるきっかけになっています。また、大学院では、同年代の学生だけでなく現職の先生方や留学生など様々な背景を持った学生が学んでいるので、他の人の考えを聞いたり自分の意見を述べたりする中で、自分にはなかった視点が得られ、どの授業でも新たな発見があります。

 

専門科目の中の主な科目が、大学でのゼミに当たる英語教育学特別研究(特研)です。私が所属している「内容学」(主に英語学や文学研究の観点から英語教育について研究します)の特研は、1回の授業で1人が研究の進捗を報告し、それに対して他の人が質問やコメントをする形式で行われています。他の院生全員が自分の研究について考えてくれるので、様々な視点から意見をもらえ、自分の研究を見つめ直せる貴重な機会です。また、同じ内容学と言ってもそれぞれの研究内容は異なるので、毎回他の人の発表から新たな知識を得ることができ、中には自分の研究につながる考えや研究手法もあり、他の方の研究を知ることができるのもとても勉強になっています。

 

授業のない日や授業日の空き時間は、研究室で過ごすことが多いです。研究室には自分の机と椅子があり、集中して勉強できる環境が整っています。研究室ではそれぞれ自分の研究や課題に取り組んでいますが、他の院生に気軽に相談することができる雰囲気なので、特研の時間以外にも研究についてアドバイスをもらえます。一人では行き詰まってしまうときでも、共に学ぶ仲間がいるのはとても心強いです。

 

前期を終えて、もちろん研究や授業は忙しいですが、想像よりも楽しく学べていると感じています。その理由の1つが、色々なつながりがあることだと思います。私の大学はあまり他学部や他学年とのつながりはなかったのですが、広島大学大学院に入って、同じ教育でも教科や校種が異なる人と話しあえたり、特研や研究室では同級生だけでなく先輩方とも学べたり、勉強になることばかりです。また、最初は履修登録や広いキャンパス内の移動など、研究や授業以外でも戸惑うことがたくさんありましたが、周りの人にあたたかく教えてもらえ、とても助かりました。充実した大学院生活を送ることができる場所だと思います。

 

広島大学大学院は学ぶ環境が整っており、必ず得られるものがあると思います。ぜひ一緒に学びましょう!

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後期も積極的に学んでもらい、勉学と研究にまい進してもらえたらと思います。

 

教英ではこれから以下の入試関連行事があります。博士課程前期の入学試験は2月に行われます。教英で一緒に英語教育について研究してみませんか。在学生、スタッフ一同みなさんと一緒に研究できるのを楽しみにしています!(ちなみに、博士課程前期というのはいわゆる修士課程です。博士課程後期はドクターコースのことで、いわゆる博士課程になります。)

 

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)

2月:学部前期日程入試

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)

 

なお、教英では、2022115日(土)にホームカミングデーの1企画として、1430分から1615分まで英語教育オンラインセミナーを開催します。詳細は以下の通りです。英語教員を目指している高校生や大学生、現職の中高の英語教員の方、大学で英語教員養成に従事されている研究者の方まで幅広くご参加いただけます。なお、参加には事前申し込みが必要となります。申込期間は11月2日(水)までとなっております。英語教育について一緒に考えてみませんか。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

http://hirodaikyoei.blogspot.com/2022/09/4.html

 


 

2022/09/11

令和4年度英語教育オンラインセミナーの詳細が決まりました(申込期間開始のお知らせ)

昨年好評いただいた本企画(「英語教育の最先端を知るセミナー」)ですが、今年度の詳細が決定し、申込期間を開始いたしました。すでにお知らせしています通り、今年度は、神戸市立葺合高校教諭の宮崎貴弘先生を講師としてお迎えします。
 
2022115日(土)(広島大学ホームカミングデーの初日です)に1430分から1615分までオンラインにて開催予定です。本企画は、広島大学ホームカミングデーの中の1企画として実施されます。
 
昨年度は英語教員を目指している高校生や大学生、現職の中高の英語教員の方、大学で英語教員養成に従事されている研究者の方まで幅広い方にご参加いただきました。今年度も多くの皆様のご参加をお待ちしております。
 
申込期間は112日(水)までとなっております。今年度も皆様と英語教育について一緒に考える時間を共有できますことを楽しみにしています。




2022/09/09

教英の大学院生が「次世代フェロー」に採択されました!

広島大学では、学内の博士課程後期(いわゆるドクター課程)の学生を対象に「次世代フェロー」(詳細は以下をご覧ください)を募集しています。採択されると、なんと研究専念支援金(生活費の支給と考えてもらえるとわかりやすいかと思います)と研究費が支給されるというとても画期的な試みです。このフェローシップはSDGsへ貢献する研究を対象としているので、採択者のほとんどがいわゆる理系の学生なのですが、その中にあって本コースの新美徳康さんが採択されました!今回、新美さんに記事を書いてもらいました。以下、新美さんに書いてもらった記事です。



 

私は今年度博士課程後期に進学し、広島大学創発的次世代研究者育成・支援プログラム 次世代フェローシップ(通称:次世代フェロー)に採択されました。現在、そのプログラム内容の一部である研究専念支援金や研究費の支援を受けながら、「CBTによる英語学力評価の基盤構築」をテーマに研究活動を行っています。このプログラムは、広島大学が国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「次世代研究者挑戦的研究プログラム」の実施機関に採択されたことに伴い、将来の日本の科学技術・イノベーションの基盤となり、SDGsの達成に貢献するような研究を遂行できる研究者を育てることを目的として、令和3年度から採択された博士課程後期の大学院生を対象に提供されています。支援プログラムの詳細はこちらのサイト(https://fellowship.hiroshima-u.ac.jp/)をご参照ください。今回は、次世代フェローに採択されるまでの手続きやその後の院生生活の様子を中心にお話できればと思います。

 

このプログラムの募集が正式に開始されたのは1月初旬でした。すでに博士課程前期の早い段階から博士課程後期への進学の意思を固めており、このプログラムが新たに始まり募集があることを大学のサイトや指導教員からの情報共有を通して12月頃から知っておりましたので、できるだけ早く応募書類の準備に着手しました。応募するためには、研究計画や研究遂行力の自己分析、目指す研究者像を含む6ページ分の申請書を作成する必要がありました。採択されるかどうかは、この6ページの申請書の出来具合で判断されるため、これから研究を行う内容を分かりやすく伝えるように書くことに加えて、いかに専門内外の審査員にインパクトを与えられるように書くかがカギとなりました。1月末が応募書類の提出期限でしたので、まずできるだけ早く申請書の第1校を完成させ、その後、自分の納得いく程度まで修正を繰り返し、形式や表現を整えていきました。提出期限の1週間前からは、指導教員から申請書作成の助言をいただいて、応募の趣旨に合致するような書きぶりやより審査員の興味をひくような書き出しに大幅に変更しました。また、教英で博士号を取られた先輩に見ていただき研究計画がしっかりと立てられているかどうかに関して助言いただき細かい修正を施しました。現職の先生にも読んでいただき、専門ではない人でも理解でき採用したいと思わせられるような書き方になっているかどうかについてコメントをいただきました。このように、時間が許す限り、いろいろな方の意見を適宜取り入れながら何度も修正を繰り返した後、提出しました。将来の日本の科学技術・イノベーションの基盤となる研究を支援するプログラムの趣旨でしたので、理工系や医系科学系が専門の大学院生が比較的多く採択されていますが、運よく人文社会科学系に属するような私の研究内容を評価いただき次世代フェローに採択されました。修士論文の試験準備や博士課程後期への進学の院試準備と並行して申請書の準備を進めていたため、非常に大変でしたが、多くの方々に支えられながら申請書の作成に多くの時間を費やすことができたため、申請書の質を高めることができたと思います。

 

研究を行っていくためには、自身の研究に関わる文献の購入費、調査や実験で使用する材料の準備に必要な費用、研究参加者への謝礼、学会参加費、英文校正費、論文掲載料などのお金となによりも研究のみに安心して集中できる多くの時間と環境が必要です。次世代フェローに採用されたことで、研究や生活に関わる金銭面では余裕がうまれ、それが集中して研究できる時間の確保にもつながっています。次世代フェローには、研究を着実に遂行し、その成果を学会発表、論文、アウトリーチ活動を通して公表していく責務があるため、少しプレッシャーも感じていますが、それが研究を進める原動力ともなっています。

 

このような支援プログラムを提供していただけることに感謝の気持ちを持ちながら、これからも引き続き次世代フェローとして今後の英語教育に資する研究、そして日本の児童生徒の英語学力を高めることに貢献する研究を進めていきたいと思います。

博士課程後期1年 新美 徳康

 


 

新美さんは熱心に研究活動に取り組んでいて、すでに論文も査読付き学術誌にいくつか掲載されています。今後ますますの活躍を応援しています!

 

博士課程後期の入学試験は2月に行われます。教英で一緒に英語教育について研究してみませんか。在学生、スタッフ一同みなさんと一緒に研究できるのを楽しみにしています!

 

教英ではこれから以下の入試関連行事があります。(ちなみに、博士課程前期というのはいわゆる修士課程でマスターコースです。9月入試は来週行われます。)

 

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)

2月:前期日程入試

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)




大学院新入生ガイダンスを行いました

学部に引き続き、大学院新入生ガイダンスも行いました。新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます! こちらは学部と違って、やはりみなさん大人の落ち着きがあります!学部から大学院にそのまま進学した人、一度学部を卒業してしばらく教員をしてから大学院に戻ってきてくれた人など様々です。各...