2016/04/23

180分授業を受けた学部4年生の声





私(Y)の授業では100人規模の大人数授業を除いては、毎回授業専用電子掲示板(Bb9)に授業の予習と復習(振り返り)を書いてもらっていますが、ある4年生が授業の振り返りで、ターム制授業(年2学期の代わりに4学期にして、180分の授業を一週間に一回行う今年度からの新制度)のことについて書いてくれました。












学生さんの生の声として面白かったので、本人の許可を得てここに掲載します(許可を得た時に、一部修正要求がありましたので、それは(注)のところに掲載しています)。




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今回の授業で特に考えたのは、ターム制授業のありかたについてです。


 最近「アクティブ・ラーニング」という言葉が巷を騒がせていますが、ターム制で三時間の授業を行おうと思うと、とてもではないですが単なる講義型の授業では、教師も非常に疲れるし、生徒はおそらく退屈して寝てしまいます。「アクティブ・ラーニング型の講義を行いなさいよ」との意図がターム制の背景の一つにあると理解しています(注)。


ターム制の授業を受けてみた結果、感じた良い点、悪い点についてまとめていたいと思います。
 良い点としては、①学生は寝る暇もなく活動に従事することができること、②深い学びに必要な過程である知識の習得、実践、振り返りを短いスパンで繰り返すことができること、などが挙げられるでしょう。
 
②のような濃密な学習活動の結果、①が起こり、結果非常に深い学びを引き起こすことができる可能性があるように思います。②が学びの確実な、長いスパンの定着に良い影響を与えることは、ベンジャミン・フランクリンの有名な言葉 "Tell me and I forget. Teach me and I remember. Involve me and I learn."からも、授業を受けてみた経験からも疑うことはできません。




 では悪い点はあったのでしょうか。考えられるとしたら、①身体的な辛さ ②かなり動機付けのしっかりした人間でなければ学びは過酷なものになる ③人と関わることが苦手であればおそらく耐えられない、などのことが挙げられるでしょうか。
 
 ①に関しては、不慣れなこともあるのでしょうが、活動に集中して従事するためにはかなりの体力を使います。息切れしないための適切な休憩の取り方についても考える必要があるでしょう。


②に関しては、まさに学びを始める時点で自らが学びに方向づけられていない、与えられた課題が魅力的なものではない、などの場合学生は3時間を無為に、時計を何度も見ながら過ごしてしまうことになりかねません。学びを起動するトリガーとしての課題の熟慮は、最重要事項として考えるべきかもしれません。


③に関してはある高校生の話を聞いたのですが、「学校で毎日話し合い活動ばかりさせられた結果不登校になってしまった」というケースを聞きました。このことはどのように考えて対応すればいいのか、いまだに考えがまとまってはいません。例えば一人で熟考して書く活動も追加する、などになるのでしょうか。



 ここまでターム制授業の良い点、悪い点について考えてみたのですが、私としては4年生時点でこういった授業を受けることができているのは素晴らしい経験であると思っています。もしも1年生からこういった授業ばかり受けていれば…という気持ちもありますが。これからの学びを楽しみにしています。
 
(注)この推測は正確ではなく、正しくは広島大学での「スーパーグローバル大学創成支援事業」のなかで掲げられている教育の三つの改革のうちの二つとして「ターム制」と「アクティブラーニング」の導入が位置付けられており、「ターム制」の背景に「アクティブラーニング」がある、という両者の関係は誤りです。http://hiroshima-u.jp/sgu  に詳しく記載してあります。





2016/04/21

大学院生歓迎会を開きました

本日、大学院の新入生を歓迎する会を、大学近くの居酒屋で開きました。


新入生がすでに打ち解けた雰囲気でいてくれたのがとてもありがたかったです。






研究は厳しくやってゆきたいと思っていますが、その厳しさを保つためには、仲間・共同体の優しさと温かさが必要です。


これからも厳しくも優しい共同体づくりを目指したいと思っています。

2016/04/17

広島大学での教員免許状更新講習受付が始まりました



教員の方々が定期的に受けなければならない「教員免許状更新講習」は、広島大学でも開催されますが、その受付が本日4/17(日)より始まりました。締切は5/22(日)です。


広島大学の卒業・修了生の先生方、または広島大学にご興味をお持ちの先生方、ぜひ広島大学での教員免許状更新講習を受講ください。


まずは、下の「シラバス・講習一覧」でご興味のある講習をお探しください。

シラバス・講習一覧



2016/04/15

教英大学院の平野洋平さん(D3)がJ-SLA2015口頭発表賞を受賞しました

教英大学院の平野洋平さん(D3)がJ-SLA2015口頭発表賞を受賞しました

【学会名】
 日本第二言語習得学会(The Japan Second Language Association)
【大会名】
 第15回年次大会(J-SLA 2015)
【日程】
 2015年6月6-7日(発表は6日の13:05-13:35)
【場所】
 広島大学総合科学部K棟
【発表題目】
 「日本語話者英語学習者による英語結果構文の容認度に影響を及ぼす要因」
 "Influential factors on acceptability of English resultative constructions for Japanese learners of English"

(学会HP:http://www.j-sla.org/
(大会プログラム: http://www.j-sla.org/wordpress/wp-content/uploads/j-sla2015program.pdf




以下は、平野さんのコメントです。




博士課程(後期)での生活を開始した当初から、この学会での口頭発表を自らのデビュー戦にしようという目標を立てて研究を進めてきました。実際にこの学会で自身初の口頭発表をさせて頂くことができました。当時はそのことだけでもある種の達成感を感じていたほどです。初めての発表ということで、当日は緊張していることを自覚せざるを得ないほどの精神状態で、まさか自分がこのような身に余る賞を受賞させて頂けることなど予想だにしておりませんでした。しかしながら、今はこの受賞を素直に受け止め、今後の研究生活の励みにしなければという思いでいっぱいです。


この発表に至るまでにも、本当に多くの方々にお世話になりました。学術的な面では、指導教員の先生方を始め、学内外の様々な先生方にご指導をして頂きましたし、院生の皆さんにも様々な助言を頂くことができました。実験に快く参加してくださった方々のご協力なしにも、この受賞はおろか発表そのものがあり得なかったでしょう。また、日常生活においては、普段心身面でのサポートをしてくれている妻にも感謝の気持ちでいっぱいです。


私自身がこの賞を受賞させて頂いたという事実よりも、周囲にいる様々な方々にこうしたご報告ができたこと、また、その報告を周囲の方々が喜んでくださったことの方が私にとっては嬉しいことでした。お陰様で、自らの研究が少なからず有意義なものなんだなという実感を得ることもできましたし、今後ももっともっとしっかりとした研究を続けて行きたいという動機にもなりました。


今回の受賞は学会から激励の意味も込めて頂いた賞であると勝手ながらに受け止めておりますので、今後の研究生活の励みとし、今後の活動を通じて学会や第二言語習得・英語教育の分野に少なからずの貢献ができるよう、そして、周囲の方々にまた何らかの研究成果をきちんとご報告できるよう、ますます精進しようと思います。



平野洋平
広島大学大学院教育学研究科
文化教育開発専攻
英語文化教育学分野
(博士課程後期3年)

2016/04/13

180分授業(4ターム制)が本格的に始まりました







広島大学は従来、前期と後期それぞれ90分の授業を15回行う形で授業が行われていましたが、今年度から一年間を4つのタームに分けて、180分の授業を8回行う制度が本格的に導入されました。

もちろん(途中で一度の休憩はあるとはいえ)180分も一方的な講義をしてしまうと、学生さんの集中度は続きませんから、各教員はそれぞれに工夫を凝らしています。


私 (教員Y)が本日行った学部三年生向けの授業(基本的に英語で講義)は、以下のように行いました。


(1) 予習:授業スライド(および授業サポートホームページ)を読んでから教科書を読む。わからない箇所は辞書などを使ってきちんと理解しておく。
(2) 授業: 90分を一単位として以下のように進める。
(2a) 最初の60分で、英語講義+教科書再読+周りと理解の確認+質疑応答の短いサイクルを何度か繰り返す。
(2b) 最後の30分で、テストに類した問題を問う。
(2b1) 15分間で問いに英語で答案を作成。
(2b2) 次 の5分間で周りの人とお互いの答案を検討する。
(2b3) 最後の10分で初めて教科書を見て自分の答案を検討する。答案は評価の材料として回収します。
(3) 復習:その日に学んだ章を何度も音読する。授業で問われた問い、およびそれに類する問いに、もう一度教科書を見ずに解答した後で、その解答を、教科書を見ながら検討する。


教科書再読

隣の人と理解の確認

自分なりの英語答案作成
(質問に答えるためTAも巡回中)




本日は回収した答案に、授業の感想を書いてもらいましたが、ほとんどが好反応でした。




予習⇒教科書にない例を補っての英語講義⇒教科書の再読⇒隣の人との意見交換での再理解⇒教室全体での質疑応答のサイクルを何回か繰り返した上で、自分なりの英語答案作成⇒隣の人の答案との比較⇒教科書を再読しての答案推敲のプロセスを経ることがよかったようです。


また予め授業で使用するスライド(パワーポイント)をBb9という電子システムからダウンロードしてさらに印刷しておいて授業中のノートとして使えるという点も好評だったようです。


これからも少しずつ工夫をこらしながら、授業改善を図ってゆきたいと思います。




2016/04/12

ベテラン教師の方にお話をしていただきました

本日、4年生の授業の一環で、約20年間公立の高等学校で教鞭をとっていたベテラン教師の方にお話をしていただきました。授業では、そのお話を元に学部生がスピーチを作り発表し推敲するという活動を行いました。




大学の授業も社会に開かれたものではないといけないと考えています。今後も外部の方々のお話を聞く機会を充実させたいと考えています。

科研「英語科教育実習生の当事者研究」が採択されました

本講座教員が申請した科研(科学研究費)の「英語科教育実習生の当事者研究」が採択されました(研究代表者:樫葉みつ子、研究分担者:柳瀬陽介)。研究目的は以下の通りです。




研究目的(概要)


英語教育実習生はさまざまな葛藤に苦しんでいます。指導方針が大学と実習校で異なる場合や、指導教員によって異なることも少なくありません。教育内容である英語は所詮外国語であり、実習生は十分な自信がもてないことも多いのですが、それでも児童・生徒の前では堂々と振る舞わなければならなりません。


こういった葛藤は、実習生という立場の弱さから抑圧されがちです。しかし葛藤を抑圧し問題を隠蔽することを実習生が学んでいるとしたら、それは教師としての問題対応力を損ねてしまうことになります。この研究は、実習生が思考・判断・表現力を身につけ、主体性・協働性・多様性を重んずる学校づくりに参画できるようにするための「当事者研究」ができるようにするための支援のあり方についてアクション・リサーチを行うものです。



「当事者研究」という研究法で、主体性・協働性・多様性に優れた教師を育てることを目指したいと考えています。







教英の大学院生が全国英語教育学会で研究発表を行いました!

日本には英語教育関係の学会がいくつかありますが、全国英語教育学会はその中で最も歴史と権威のある学会の 1 つです。先月になりますが、教英の大学院生が研究発表を行いました。貴重な意見交流もできたとのことで、大変うれしく思います。今回、研究発表を行った池田泰士さんにブログ記事を寄せて...