2024/08/19

令和6年度英語教育オンラインセミナーの詳細が決まりました(申込期間開始のお知らせ)

昨年も好評いただいた本企画(「英語教育の最先端を知るセミナー」)ですが、今年度の詳細が決定し、申込期間を開始いたしました。今年度は、山﨑寛己先生(新潟市立下山中学校教諭)を講師としてお迎えします。

 
2024
112日(土)(広島大学ホームカミングデーの初日です)に1430分から1615分までオンラインにて開催予定です。本企画は、広島大学ホームカミングデー(創立75+75周年記念事業)の中の1企画として広島大学教育学部英語文化系コースと広島大学英語教育学会の主催で実施されます。

昨年度も英語教員を目指している高校生や大学生、現職の中高の英語教員の方、大学で英語教員養成に従事されている研究者の方まで幅広い方にご参加いただきました。今年度も多くの皆様のご参加をお待ちしております。
 
申込期間は1030日(水)までとなっております。今年度も皆様と英語教育について一緒に考える時間を共有できますことを楽しみにしています。




2024/08/11

教英留学セミナーを開催しました!

先日、カビール先生が中心となり、教英留学セミナーを開催しました。昨日行われたオープンキャンパスでもそうでしたが、コロナ禍も終わり、再び留学への関心がとても高まっています。今回は、大阪女学院大学のAaron C. Sponseller先生、竹原小学校と竹原中学校でALTをされているMatthew Loomis先生、イギリスのシェフィールド大学への留学から帰ってきた教英4年生をパネリストとしてお招きし、これから留学を考えている教英生に講演をしていただきました!今回、そのセミナーに参加した学生に記事を寄せてもらいました。

 

 

 

今回のセミナーでは、登壇者3名がそれぞれの視点で留学について語ってくださいました。特に印象深かったのは、登壇者、参加者を含め、「留学の目的」に関して意見が交わされたことです。今後留学予定である参加者の質問から始まり、「留学の目的の理想は何か」「そもそも留学には目的が必要なのか」ということなどについて話し合われました。少し個人的ではありますが、私も来年度留学を予定しております。この機会は自分にとっても留学の意義を問い直す有意義な場となりました。

 

登壇者の意見の1つであった「目的は捜すものでなく、すでに自分の中にあるものだ」という考えに大変納得させられました。留学に興味を持ってきた背景をたどり、「なぜ自分は留学に関心を持ってきたのか」や「何を実現させたいか」を私自身も問い直してみると、次の2つの留学の目的が見えてきました。1つは研究に関してで、研究で扱う題材の舞台となる場所等を訪れ「本物」を体験し、理解を深めることです。もう1つは、「本物」の体験を含めた留学での様々な体験を生徒に伝えることです。これまで、海外経験のある先生が実体験を踏まえて話してくださる様々なストーリーを聞き、どれも面白く魅力に感じてきました。今回の登壇者のお話しでも、留学先で想定外の出来事の多くに遭遇し、なんとかなる精神を身につけたというエピソードを楽しく聞かせていただきました。生徒にとって身近な存在である教師に海外経験があり、現地での体験を伝えられることは、生徒の興味関心や選択肢を広げられる可能性があると感じました。

 

今回のシンポジウムは、留学で何を学び、体験し、それをどう生かすかについて、登壇者それぞれの経験や価値観を知ることができた大変貴重な機会でした。学生のうちに留学に行くことを考慮でき、留学の意義について考えを深められる機会があるということは、とても恵まれていることだと思います。私も自分の留学の目的を達成できるよう、努力を続けていこうと思います。熱意あるセッションをしてくださった3名の方、この場の設定に貢献してくださった皆様に感謝いたします。

 

 

 

非常に有益なセッションとなったようでうれしい限りです。登壇いただいた講師のみなさんには改めて感謝申し上げます!

 

教英では、忙しくはなりますが、2年次9月~3年時7月までの約1年間の留学をしても、中高の教員免許を取得した上で4年間で卒業することが可能です!(もちろん、本人の単位取得状況などによっては4年間で卒業できない場合もありますが)

 

広島大学では様々な留学プログラムが用意されています。教英で留学と教英生活の両方をエンジョイしてみませんか?教英では、これから以下の入試関連行事があります。

 

9月:大学院入試(博士課程前期)

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)(学部入試)

2月:前期日程入試(学部入試)

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)


(教英4年生による留学体験紹介のプレゼンの様子)


2024/08/09

オープンキャンパスにご参加いただきありがとうございました!

本日、広島大学ではオープンキャンパスがあり、教英の説明会にも多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました!

 

教英では、本日はこんなメニューでイベントを行いました。

1.       教英のコース紹介(カビール先生)

2.       教英生の学生生活の紹介(「教英生の1日」と「教英の1年間の行事」)(教英2年生、3年生)

3.       教英の入試について(カビール先生)

4.       模擬授業(カビール先生)

5.       Q & A Time

 

模擬授業ではBingoとBroken Squaresを行いました。Broken Squares Gameでは、6人グループに分かれて、ばらばらに切り分けられた図形をパズルのように並べて4つの正方形を作るという活動です。活動中は一切しゃべってはいけません。無言のままばらばらの図形を他の人に渡したり、与えたりするのみです。これは、言葉を共有しない人同士の異文化間コミュニケーションを疑似体験する活動となります。この活動はほとんどの参加者の方が初めて経験したものではないかなと思いますが、みなさんはとても楽しんでおられる姿を見て、大変うれしかったです!ぜひ近いうちに教英でお会いしましょう!在校生スタッフ一同、みなさんと一緒に勉強したり遊んだりできるのを楽しみにしています!本日はご参加ありがとうございました!

 

教英ではこれから以下の入試関連行事があります。本日参加いただいたみなさんと関係するのは11月と2月になります!

 

9月:大学院入試(博士課程前期)

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)(学部入試)

2月:前期日程入試(学部入試)

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)

 (カビール先生による教英のコース紹介)


(本当に多くの方にご参加いただきました!)

(現役教英生による学生生活紹介)

(模擬授業の様子:Bingo Game)

(模擬授業:Broken Squares①)

(模擬授業:Broken Squares②)


2024/07/25

大学院の博士課程後期(ドクターコース)の論文指導はこんな感じ!

教英には博士課程(ドクターコース)があり、博士論文を提出して無事に試験に合格すると博士(教育学)が授与されます。ドクターコースに在籍しているほとんどの院生は社会人大学院生で、それぞれ勤務校(中学校、高校、短大、高専、大学、研究所etc)で教員や研究者として勤務する傍ら、大学院生として研究にも取り組んでいます。

 

以前は広島大学東広島キャンパス(教英はこのキャンパスにあります!)から遠方に住んでいる院生は、数か月に一度ほどキャンパスに来て、そこで指導を受けるという形式が取られていました。現在では、ウェブ会議ツールなどが簡単に利用できるようになったおかげで、PC越しで定期的にゼミ指導を行えるようになりました。管理人は月に1度ほどの頻度で、Zoomでドクターコースのゼミを行っています。広島県、神奈川県、鹿児島県、長崎県で現在勤務している院生が勤務時間後にオンライン上で一堂に介して研究について切磋琢磨しています!研究テーマも様々で、管理人のゼミでは以下のようなトピックに取り組んでいるドクターの院生が在籍しています。(スタッフの研究テーマと院生の研究テーマは同じである必要はありません。むしろ同じであることの方が稀です!)

・まとまりのある英語の文章を書かせるためのライティングの研究

・英語でインタラクションを適切に行うために必要な要因の研究

・音楽の経験が英単語のリスニングでの理解に与える効果の研究

・船舶に勤務する人が無線を使って英語でスムーズに他の船や陸上の施設とコミュニケーションを取ることができるようにするための指導に関する研究

・コンピュータを使ったテストで学習者の英語ライティング力を評価するための研究

 

ドクターへの入学を検討されている方から、「東広島キャンパスに来れないが大学院生としてやっていくことは可能でしょうか?」というご質問をよくいただくのですが、答えは「可能です!」ゼミ以外の授業も遠方に住んでいながら受講できる形式のものがほとんどなので、どうぞご安心下さい。

 

教英ではこれから以下の入試関連行事があります。博士課程前期(いわゆる修士課程/マスターコース)の入学試験は9月と2月に、博士課程後期(いわゆる博士課程/ドクターコース)の入学試験は2月に行われます。教英で一緒に英語教育について研究してみませんか。王道の研究から尖った研究、マニアックな研究まで、大歓迎です。どうぞお気軽にスタッフまでメール等でお問い合わせください。在学生、スタッフ一同みなさんと一緒に研究できるのを楽しみにしています!

 

9月:大学院入試(博士課程前期)

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)(学部入試)

2月:前期日程入試(学部入試)

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)




2024/07/09

教育実習のガイダンスを行いました!

教英では、3年生の8月後半から9月にかけて、2つの附属(広島、東雲、三原、福山、の4つの附属の内の2校)でそれぞれ2週間ずつ教育実習を行います(合計で4週間)。そして、そこで実際に教壇に立って授業を行うことになります。先日、教育実習の学内ガイダンスを行いました。コロナの関係で、過去数年間は「1校で3週間」という形式での実習を余儀なくされていましたが、今年度からコロナ前の形式(「2校で合計4週間」)に戻ることができました。

 


写真にぼかしをかけていて分かりづらいですが、学内ガイダンスとは言え、教壇に立つのと同じ服装で学生は参加します。また、出勤簿に印鑑も押します。そうです、もう教育実習は始まっています!

 

ガイダンスでは、教育実習での記録の取り方や授業を計画する時に注意しないといけない事柄などを確認しました。実習本番までまだ少し時間がありますが、教育実習で指導をする範囲も事前に実習校から示してもらっていますので、教材研究をしっかりとして、実習本番に臨んでほしいと思います。有意義な実習になることを願っています!

 

教英では、これから以下の入試関連行事があります。英語教師になることを目指して頑張っている仲間や先輩と学び合いながら、英語教師を目指してみませんか。みなさんと一緒に勉強できることをスタッフ、在学生一同楽しみにしています!

 

9月:大学院入試(博士課程前期)

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)(学部入試)

2月:前期日程入試(学部入試)

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)

 

2024/06/19

教英生にウォルトディズニーワールド(WDW)でキャストをしながらの留学をふりかえってもらいました!

202312月に、アメリカのフロリダ州にあるウォルトディズニーワールドでキャストをしながら留学している教英4年生に記事を書いてもらいました。

教英生がウォルトディズニーワールド(WDW)でキャストをしながら留学中です!

 

無事に日本に帰国し、教英へ戻ってきてくれてます!今回、その学生に留学のふりかえりをしてもらいました。本当に充実した日々を送れたとのこと、とてもうれしく思います!

 

 

 

 

 

約半年間のウォルトディズニーワールド(WDW)での留学を終えて、日本に帰ってきました。前回のブログでは主にキャストとしての日々について書かせていただきましたが、今回のブログでは留学生活全体を振り返っていろいろと書いていこうと思います。また、ブログの最後にはプログラムに興味を持ってこの記事を読んでくださっている方のためにプログラムの申し込みから出国までの概要を紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

 

まず、私の1日のスケジュールを紹介します。基本的に週5でキャストとして働き、残りの2日に授業がありました。仕事がある日は朝8時に起きて、昼食としてサンドイッチを作り、10時ごろに寮から出ているバスに乗って出勤、11時ごろから働き始めて19時頃に退勤して寮に帰ります。日によっては退勤後にゲスト用のバスに乗ってパークに行って、ご飯を食べて花火を観て帰るということもありました。授業がある日は、午前中にスーパーマーケットに食料品や日用品を買いに行き、14時から寮の施設内の教室で授業、授業後に友人とパークに遊びに行くという日々でした。アメリカは物価が高いとはよく聞きますが、数日分の食料品を買っただけで簡単に50ドルを超えてしまうので、留学初期は会計が恐ろしくて仕方がなかったです。

 

この留学では、キャストとしての時間や授業はもちろん、それ以外でも様々な経験をすることが出来ました。射撃体験やクリスマスパーティをしたり、ケネディ宇宙センターやアリゲーターランドに行ったり、バスケの試合を見に行ったり、寮でのパーティやビンゴ大会に参加したりと様々な体験をしました。友人の家でゲームをした日もありました。その時はマリオカート8デラックスやスーパーマリオブラザーズワンダーやTrivia Murder Partyというクイズゲームで遊びました。クイズゲームはアメリカの知識を問われたので私や韓国人、フランス人の友人は全然できませんでした笑。私にとってこの時が英語でゲームをする初めての時でした。最近はゲームと英会話を掛け合わせたゲーミング英会話が話題に上がることもありますが、その良さの片鱗を感じました。確かに英語を使いつつコンピューターゲームをプレイすると英語の発話量が増えるかもしれませんし、時間制限のあるクイズゲームをプレイすると英語の速読の練習に役立つかもしれないと感じました。

 

また、ビンゴ大会に参加した際には当然ながら数字がネイティブの速度で次々と読み上げられるので、中学生の数詞の聞き取り練習に活かせそうだと感じました。英語学習とは関係ないですが、このビンゴ大会で使用されたビンゴカードがFinger Tip Shutter Slide Bingo Cardsという再利用可能なカードで教具として使いやすそうだなとイベントと関係のない感想を抱いた記憶があります。

 

しかし、留学期間中は楽しいことばかりではありませんでした。苦労することも多々ありました。まず、様々な言語的バックボーンを持つ人々が集まっていることです。前回のブログにも少しだけ書きましたが、フロリダ州はスペイン語話者が多く当たり前のようにスペイン語が飛び交っています。職場で自分以外の人がスペイン語で会話していると強い疎外感を感じることがありました。しかし、これは日本でも起こり得ることだと思います。日本語の母語話者とそうでない人が入り混じってコミュニケーションを取るときに、日本語母語話者同士で早口で会話をすると、非母語話者が似たような感情を覚えてしまう可能性があると気付きました。異文化間のコミュニケーションを考える時にこの視点は私にとって新しい学びでした。

 

次に、WDWは多様な国からゲストが訪れるので様々な訛りの英語を聞く機会が多くありました。その中でもインド訛りの英語を話すゲストとのコミュニケーションは、外国語として英語を学んだ自分にとって非常に苦労しました。英語の訛りで苦労した話として、強烈に記憶に残っているのはフランス語が母語である友人との会話です。彼と会話をする中で、急に「ありがとう」と言われて混乱したことがあります。しかし、会話の内容と流れを冷静に考えて、「ありがとう」と聞こえた単語はフランス語の発音の影響を色濃く受けた”Alligator”だということが分かりました。この出来事から様々な国の英語の訛りについて興味深いと感じるようになりました。

 

約半年間の留学、本当にあっという間で気付いたら帰国の1週間前になってしまっていました。フロリダでの日々は毎日がとても濃く、刺激と学びが尽きることのない日々でした。最後の出勤の日にもミッキー、ミニーと写真を撮ることが出来たのですが、ミッキー、ミニーの顔を見た瞬間にこれで最後だということを強く実感して涙が止まりませんでした。その後、コーディネーターから「あなたはみんなから愛されている、自信をもってこれから進んでいきなさい」と温かい言葉をかけていただき、お世話になった同僚とグループハグを交わしました。正直に言うと、泣きすぎてなんて言われたのか具体的には覚えてないのですが笑。大変なことも沢山ありましたが、それほどまでにフロリダでの日々、WDWでの毎日は私にとって非常にかけがえのないものになりました。あの夢のような日々と魔法で溢れた場所を離れたくはなかったけれど、フロリダでの経験はこれからの私の将来にとって必ず糧になると確信しています。

 

個人的な感想ですが、留学に行くと「海外での生活」と「英語でのコミュニケーション」に対する解像度が高まります。これから教員を志す皆さんには短期間でも十分ですので、目の前にやってきたチャンスを逃すことなく、留学に挑戦することをおすすめします。単に英語力の向上だけではなく、よりオーセンティックな授業づくりの役に立つかもしれません。

 

最後にプログラム参加までの流れを軽く紹介させていただきます。このブログを読んで、プログラム参加に興味を持った方の参考になれば嬉しく思います。

プログラム名:【バレンシア国際カレッジプログラム】

1.参加申し込み

2.広島大学でオンラインでの第1次試験(英語力測定・4技能)

3.Disneyから届くサイトで手続き(英文履歴書・カバーレターの作成)

4.大阪(東京)で第2次試験(Disneyの採用担当者による個別面接)

5.ビザ取得に関する手続き(書類提出、領事館でのビザ取得面接)

6.大阪(東京)でガイダンス、出発前講座

7.出発

(射撃体験)

(クリスマスパーティー)

(ケネディ宇宙センター)

(ゲーターランド)

(バスケ観戦)

(最終日)


(コーディネーターと@アトラクション;教英生は左)



(コーディネーターと@レストラン;教英生は中央)





教英では、これから以下の入試関連行事があります。教英の一員になって、みんなで英語教師を目指してみませんか。みなさんと一緒に勉強できることをスタッフ、在学生一同楽しみにしています!

 

9月:大学院入試(博士課程前期)

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)(学部入試)

2月:前期日程入試(学部入試)

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)

 

2024/06/01

米国大使館・総領事館のEnglish Language Fellow Programと教英で共催ワークショップを行いました!

先日、教英のKabir Russell Sarwar先生がコーディネーターとなり、在日米国大使館の英語教育の専門家であるClaire Lee先生を講師としてお招きし、米国大使館・総領事館のEnglish Language Fellow Programのワークショップを教英で共催しました。Claire Lee先生はアメリカでは英語の教員免許を持ち、12年以上英語教育に従事されました。アメリカ以外にも、南アフリカ共和国、ベトナム、中国、フィリピンでも指導経験がおありです。名門ウェルズリー大学を卒業後、ハーバード大学大学院にて教育学修士を取得されました。

 

今回は学部1年生から大学院生まで幅広い学年の教英生が参加しました。ワークショップの内容について、幅広いトピックのオファーがありましたが、参加者の希望が最も多かったTask-based Language Teaching(通称TBLTと呼ばれ、「タスクを中心とした英語教育」を指します)のワークショップを行ってもらうこととなりました。タスクを中心とした英語教育はまさに日本の英語教育で最もホットな話題の1つです。従来の文法説明や日本語訳中心の授業から脱却していくことが英語教員に求められています。

 

90分という限られた時間でありましたが、教英生にとってとても充実した時間となりました。このたび、このワークショップに参加したストレート院生(学部からそのまま大学院へ進学した方)と社会人院生(現職の中高の英語教員をされながら大学院に進学された方)の教英生にブログ用に記事を寄せてもらいました。それぞれとても貴重な学びの機会になったようで、嬉しい限りです。

 

 

 

 

 

今回のワークショップは、Task-Based Language Teaching(以下TBLT)について、①task とはどういったものか?、②taskをつくる、教科書の言語活動をtask化する、という流れで進行しました。

 

講師を務めてくださったClaire Lee先生のお話では、taskにはゴールがあり、学習者はゴール達成に向けてtaskをこなす。情報ギャップがあり、学習者同士での情報交換などを必要とする。また、taskは現実の活動と関連のあるものであり、教師はTBLTを行う際、学習者にシチュエーションを提示する。これらの要素があることで、学習者は言語内容を学習するだけでなく、言語内容を使ってやり取りなどの活動を行うことができます。

 

次に、taskをどのようにつくるかについて学びました。今回は、参加者(学部生、大学院生)が実際にJigsaw Readingというtaskを体験して、文法項目を学習するTBLT授業について学習しました。Jigsaw Readingの内容は、TBLT授業を6つのステップに分割し、個人がそのうちの1ステップについて説明された文章を読む、次に6人グループとなり各ステップで教師と生徒はどのような活動を行うかを共有するというものでした。この活動は情報ギャップがあり、参加者は自分が知らないTBLT授業のステップを互いに伝え合う活動を体験しました。

 

最後に、実際の英語の教科書を用いて教科書の活動をよりtask化することでTBLTの理解を深めました。英語教師は普段教科書を用いて授業を行いますが、授業を行う前に教科書などの教材分析は不可欠です。今回のワークショップでTBLTが教材分析を行う際の1視点であると学びました。教科書の活動では、ただ言語内容を使うことあるいは知ることに留まることもありますが、task化すると言語内容を使いながら学ぶということが可能となります。コミュニカティブな英語の授業が求められる日本の英語教育で、TBLTはその授業形態の一つであるといえるでしょう。

 

今回のワークショップは、学部一年生やその他学生が参加し、意見交換をしながら実際にTBLTを体験する中で、フレッシュな考え方が飛び交い学びの深いワークショップとなりました。講師を務めて下さったClaire Lee先生、司会進行をして下さったカビール先生に感謝の意を述べたいと思います。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

本日、Claire Lee先生のセミナーに参加しました。TBLTについては、今まで知識としては知っていたものの、「なんとなく理解している」という状態で、詳しく話を聞く機会はあまりなかったため、とても参考になりました。

 

まず、activity taskの違いについて、ペアで考えた後、先生から説明がありました。その中で、taskgoalが明確に設定されているものであり、学習したことを用いて生徒がアウトプットできるものであるということ、real worldと関係しているものであること、生徒自身が問題をどのように解決するかを決定できることという条件を説明していただきました。教科書にTaskというコーナーはよく載っていますが、その内容は、文法問題や英文和訳、英問英答などであることが多く、これは実際にはtaskの要素を満たしていないということが分かりました。自分自身が実際に授業で行っていた活動を振り返ってみても、taskの要件を満たしておらず、知らないうちにactivityになっていたものがあったことに気づき、今後taskを自分で考える際の流れについても紹介していただいたので、学んだことを実践できる日が楽しみになりました。

 

TBLTの考え方は近年浸透してきていますが、学校では教科書を用いて授業をすることが求められます。ここで問題になるのが、「どのようにして教科書を用いながらtask-basedの指導を行うか」ということです。その答えは、「教科書に載っているactivitytaskに変えて教えるとよい」ということでした。実際に教科書の発問をtaskに変える練習を通して、taskの要素を再確認することができました。

 

Taskを作ることの大切さは分かったのですが、実際に学校現場でどう教えるかを考えた際に気になるのは時間の問題です。Taskを行うのには時間がかかります。同じ学年の同じ科目を複数の教員で教えている場合、テストに向けて進度を合わせる必要があります。もしtaskを行う先生と教科書のみを進めていく先生がいた場合、taskを行う先生は大幅に進度が遅れるという可能性もあります。また、教科書の発問も教えていないと、テストでその発問が出題された時自分の教えているクラスの生徒だけが解けないということにもなりかねません。そのことについて質問したところ、「教科書全てをtaskに変える必要はない。また、taskを行いながら、教科書の発問すべてに答えるのも不可能であるため、taskを行う部分をpick upすればいい。」という回答を頂き、これならできると納得しました。

 

セミナー中の先生を観ていて気づいたことがあります。それは、今回のセミナーが授業形式になっていたということです。まず今回の目標(本時の目標)が提示され、導入として、taskactivityの違いを考えるという活動を行いました。その後、展開で実際にJigsaw Readingtask作成を行いながら、TBLTのポイントを確認し、最後にまとめと振り返りを行いました。また、Claire先生は、TBLTについて説明されながら、以下のテクニックを用いられていることにも気づきました。

1.         Think Pair Share

これはよく授業でも用いられる方法ですが、いきなり指名するよりもまず全員が個人で考える時間をとり、その後ペアで確認して、全体で共有することで全員が思考することができ、発表の際の心理的負荷も軽減できます。

 

2.         発表者にプレゼントを渡すこと

この方法により、まず発言してみたいと思う生徒も増え、外発的に動機づけを行うことができます。

 

3.         ICQ (Instruction Checking Question)の使用

英語で指示をした後、実際に生徒に活動をさせる前に、指示の内容(今からすること)について尋ねるもので、学習者は自分たちの理解を確認でき、教師も指示が伝わっているか確認できます。

 

4.         Thumbs up / down による意見の表明

「〇〇について賛成 / 反対だと思う人は挙手!」と授業中に教師が尋ねてもなかなか手が上がらないことも多いです。立てた親指を賛成なら上に向け、反対なら下に向けるという方法なら、その場で負担も少なく行うことができ、教師も前から意見を確認しやすくなります。

 

5.         隣の人の意見を発表させる

ペアワークをした後隣の人の意見を発表しました。このことにより、コミュニケーションをとる必然性が生まれ、よりしっかり相手の話を聞こうとするようになります。

 

6.         質問を付箋に書いてもらう

授業中に「質問ある人」と質問を求めても、ほとんどの場合なかなか質問が出ません。「今質問したら周りからどう思われるんだろう」という思いや、本当は聞きたいけど、「こんなこと聞いたら先生(友達)からどう思われるのだろうか」という思いから質問できない生徒もいます。このような生徒も含めて、全員から意見を集める方法として付箋に書かせて回収するという方法を取られていました。

 

このように、先生はただTBLTについて紹介して下さっただけではなく、教師側の視点から観察すると、実際に学校現場で使えるテクニックの例をたくさん(かつコッソリと)紹介して下さっていたと思いました。このような見方ができるようになったのも、学部時代の教英での4年間の学びのおかげだと思っています。この学びを学校で生かしたいと思うとともに、次回のセミナーが楽しみになりました。





 

 

 

 

カビール先生は現在、今回のように外部から講師を招いて英語教育について学ぶシリーズ企画を立案中です。普段の授業とはまた違った形で教英生が学べる機会がこれからますます充実していきます!

 

教英ではこれから以下の入試関連行事があります。教英で英語教師や英語教育研究者を目指してみませんか。スタッフ一同みなさんと一緒に勉強や研究ができるのを楽しみにしています!

 

9月:大学院入試(博士課程前期)

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)(学部入試)

2月:前期日程入試(学部入試)

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)


教英の大学院生が全国英語教育学会で研究発表を行いました!

日本には英語教育関係の学会がいくつかありますが、全国英語教育学会はその中で最も歴史と権威のある学会の 1 つです。先月になりますが、教英の大学院生が研究発表を行いました。貴重な意見交流もできたとのことで、大変うれしく思います。今回、研究発表を行った池田泰士さんにブログ記事を寄せて...