2021/11/12

小学校教員採用試験体験記

教英では、人数は限られますが小学校の教員免許を取得することができます。今回、小学校の免許を現在取得中で、今年度に小学校教員採用試験を受験した学生に体験記を寄せてもらいました。無事に採用試験も合格され、4月からは教員として第一歩を踏み出される予定です。合格おめでとうございます!管理人はタイムマネジメントと努力に脱帽です。

 

教員採用試験を受験して 

 私は今年の7,8月に、熊本市小学校教員採用試験を受験しました。教英生のほとんどが中高英語の教採を受ける中、小学校を受験するにあたり苦労したこと、自分なりに工夫した取り組みについて書かせて頂きます。

 一次試験に向けての取組で最も苦労したことは、勉強時間の確保です。副免許で小学校一種の免許を取得する学生は、教英の授業に加えて初等の授業も履修する必要があります。他コースの学生は3年次にほとんどの授業を履修し終えるのですが、私達の代の教英生は、3年次のカリキュラムの都合上、初等の授業の多くを4年次に履修しなければならない状況でした。大学の授業、ゼミ、教採の勉強を両立させる必要があり、さらには部活動やボランティア、アルバイトもあり、勉強時間の確保が難しい状況でした。まとまった勉強時間が作れない中、私は自分のスケジュールを分単位で管理し、すきま時間を有効に活用して1日合計5時間以上は勉強ができるようにしました。日中は授業やボランティア、夜は部活動やアルバイトで予定が詰まっているため、朝4時に起きて勉強していた時期もありました。「遊びたい」「もっと寝たい」と思ったことは何度もありますし、点数が思うように上がらなくて心が折れそうになることもありました。しかし、初等の学生よりも遥かに小学校の学習指導要領や教科内容に関して知らないことが多いことへの焦りから、自ずと参考書を常に持ち歩き、暇さえあれば机に向かっている自分がいました。また、教員という小さい頃からの夢があと1歩で叶いそうであること、そして何よりも部活動の同期や授業で会う同級生も勉強を頑張っていることが、精神的な支えとなりました。

 二次試験に向けてでは、模擬授業と水泳で特に苦労しました。3年半教英で学んできたこととは大きく異なる能力を必要とされ、国語科及び算数科の授業づくりや実技試験の水泳のために、何度も何度も練習を重ねました。高校卒業まで平泳ぎが全くできなかった私が、教員採用試験に向けて猛特訓をした結果、25m泳げるまでに成長しました。ここで自分自身を支えてくれたのは、「人とのつながり」です。スクールサポーターとしてボランティア活動をしている小学校の先生方が模擬授業についてアドバイスをくださり、実際に小学校の教室で練習をさせて頂く機会もありました。毎日集まって面接や模擬授業の練習をした県人会のメンバーや、zoomで面接練習をした地元の友達の存在にも支えられました。プロではなく友達との面接練習は、専門的な助言をもらえるわけでもなく、リアリティのある質問をしてもらえるわけでもありません。単に場数を踏んで慣れることしかできないと思います。しかし、ライバルであり仲間である友達の存在は、時に怠けそうな自分を鼓舞し、時に折れそうな心を強くし、時に追い込まれた暗い日々に笑いという光をくれます。教採という壁は、1人では絶対に乗り越えられなかったと思います。毎日一緒に頑張ってくれた県人会のメンバーや、時間を作ってzoomで練習してくれた地元の友達には本当に感謝しています。

 私は教員採用試験に本気で全力で挑みました。この文章を書いている時点ではまだ結果は出ていませんが、万が一ダメだったとしても、後悔しない自信があります。それは、これ以上の努力はないと胸を張って言えるほど頑張ったからです。本当に全力を尽くしました。部活動やアルバイトを辞めて勉強に集中すればいいという意見もあると思います。もちろん、勉強だけをしていれば成績はもっと楽に上げられたと思います。しかし、より多くの経験を積んで、子ども達にワクワク感あふれる授業を展開したいという思いや、自分自身の視野を広げたいという思いから、両立の道を選びました。この選択に悔いはありません。

最後に、教育実習でお世話になった先生の言葉をお借りして、終わりにしようと思います。

「常にプロセス」

自分なりのゴールに向けて自分の選んだ道を常に全力でこれからも駆け抜けていきたいと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

教英ではこれから以下の入試関連行事があります。みなさんと一緒に英語教育について学べることを在学生、スタッフ一同楽しみにしています!

 

2月:前期日程入試

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)




2021/11/06

英語教育に関するオンラインセミナーにご参加いただきありがとうございました。

116日(土)に教英主催で行われた英語教育に関するオンラインセミナーは大盛況のうちに閉会いたしました。全国各地よりたくさんの方にご参加いただきました。

 

講師を務めていただいた福山市立福山中・高等学校の上山晋平先生と広島女学院大学の中島義和先生には、「英語で課題解決できる生徒を育てよう」というテーマのもと、貴重で意欲的、まさに最先端の実践をご報告いただきました。「英語で課題解決できる生徒を育てる」という極めて難しい問いに対して、具体的な方向性を示していただいたことで、参加者の皆様にとって実り多い時間となったのではないでしょうか。2時間という限られた時間ではありましたが、英語教育について一緒に考える時間を持てたこと、とてもうれしく思います。

 

今回のセミナーには、将来英語教員を目指す高校生、現在英語教育について学んでいる大学生、中高の現職教員、大学教員、一般企業の方と、英語教育に関心を持つ様々な方にご参加いただき、とてもすばらしい会となりました。質疑応答の時間には高校生の方からも積極的な質問をいただきました。管理人としましても、英語教育についてとても明るい未来を感じました。

 

また、今回はホームカミングデーの1企画としてこのセミナーは行われました。教英の卒業生にもたくさん参加いただきました。今回はオンラインという形ではありましたが、教英という学び舎に集い、ともに英語教育について再び一緒に学べたこと、とてもうれしく思います。

 

スタッフ一同御礼申し上げます。



2021/10/12

11月6日(土)に教英主催で、英語教育に関するオンラインセミナーを開催します!

11月6日(土)に教英主催で、英語教育に関するオンラインセミナーを開催することになりました。生徒が「思考力・判断力・表現力等」を身に付けるような課題設定とその指導方法について、実力派英語教師による中・高等学校での実践例から学びましょう。


広島大学ホームカミングデーの1企画として行われますので、どなたでも参加可能です。将来英語教師になることを目指している高校生の方も大歓迎です。参加費は無料です。たくさんの皆様のご参加をお待ちしております。詳細は以下のファイルをご覧ください。





日時

2021年11月6日(土)14:00~16:00(入室13:30~)


開催方法

Zoomによるオンラインセミナー


対象

一般公開


参加費

無料


申込方法

2021年11月3日(水)までに、チラシに掲載されているURLまたは2次元コードからご登録ください。

※参加申込の個人情報はこのセミナー実施のためだけに使用します。


日程概要

13:30 ~ 14:00 入室

14:00 ~ 15:00 講演 1

15:00 ~ 16:00 講演 2 


講師

講演1:上山 晋平 氏(福山市立中・高等学校教諭)

講演2:中島 義和 氏(広島女学院大学准教授、前広島大学附属東雲中学校教諭)


主催

広島大学教育学部第3類(言語文化教育系)英語文化系コース・広島大学英語教育学会


問い合わせ先

英語教育学講座図書室(大石)

Tel 082-424-6796

E-mail y-oishi1107*hiroshima-u.ac.jp

(*は@に置き換えてください)

2021/10/07

新研究科の大学院2年生が修士論文中間発表を行いました

新研究科になり、初めての修士論文中間発表が先日行われました。大学院2年生がこれまでの研究成果をまとめ、研究発表を行いました。教員との質疑応答も自信を持って対応し、とても有益な議論となりました。







今年度のM2生の修士論文のテーマは以下の通りです。今年も様々なトピックがそろいました。

 

・振り返りを活用した日常会話を継続する力の育成

・意見文における日本人英語学習者の態の表明の発達と英語レベル

・英語科における「思考・判断・表現」のComputer-based Testingを活用した評価可能性に関する基礎研究

・英語冠詞の指導法検討:Takahashi (2021)Hinenoya and Lyster (2015)による指導の枠組みの比較研究

Punsを用いた協同的学習による語彙学習の研究

・インタラクションにおける不平の連鎖の特徴の分析

・中国人大学生の自律的英語学習プロセスの実態調査

 

修士論文の提出締め切りは1月末です。これからいよいよラストスパートとなります。自身のこれまでの研究成果を存分に発揮した論文に仕上げてもらえたらと思います!

 

教英ではこれから以下の入試関連行事があります。教英では、みなさんの学びや研究をサポートする体制が整っています。みなさんと一緒に英語教育について学び、考えることができることをスタッフ一同楽しみにしています!

 

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)

2月:前期日程入試

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)

 

2021/10/01

教育実習体験記

教育実習は教英の最大イベントとも言えます。教英では3年生の9月に多くの人が教育実習に行きます。指導教員から指導を仰ぎながら、実際に1人の教師として教壇に立ち、授業を行います。今年もつい先日、教育実習が終了しました。

 

今回、学部生のA君に、教育実習の体験記を記事にまとめてもらいました。多くの学びがあったとのこと、大変うれしく思います。教育実習で見つけた課題に、大学生活の残りの期間しっかりと取り組んでもらえたらと思います。

 

教育実習を終えて

 

私は、830日から917日までの約3週間、広島大学附属中高等学校で教育実習をさせて頂きました。コロナ禍で人と関わることが減ってしまった中で、実習前は不安で押しつぶされそうな時期もありましたが、そんなことを忘れてしまうくらいあっという間の実り多い時間を過ごすことができました。

教育実習の3週間は、今まで以上に英語という言語そのものや指導法に真正面から向き合う時間でした。「なぜここでこの文法が使われているのか」「この活動を通じて生徒にどんな力を身に付けさせたいのか」など、一見すると見逃してしまう部分や生徒には伝わらないであろう教師の意図や目的の部分を大切にすることを改めて意識させられました。また、「英語の授業は英語で」と言われているなか、私は授業の大半を日本語で行うという挑戦的な授業をしました。改善点は多々見つかりましたが、ある程度の手ごたえを掴むことができ、授業後の批評会では担当の先生からこのような授業の存在意義について教えて頂きました。「英語教師や英語の授業の役割は何なのか」、「英語を教えるといのはどういうことなのか」など英語教師になるうえでの根源的な問いに向き合い、教師としての軸や核を持つことの必要性を痛感しました。

また、授業だけでなく実習生一人一人がホームルームにも配属され、担任としての生徒との関わり方や生徒たちの実相を観察することができました。小中高とこれまでは生徒の目線から教師を見ていましたが、教育実習では教師目線で教師を見ることが求められ、視点の転換を意識させられました。人対人の仕事である以上やり直しが利かず、教師の何気ない一言が生徒を良くも悪くも変えてしまう影響力を持った仕事であることを再確認しました。

私自身、これまで経験したことのないような多忙な3週間を過ごしましたが、授業後に生徒から「分かりやすかった」「楽しかった」という感想を貰うことができ、教師としてのやりがいの一端を感じるとともに教師になりたいという想いを強くすることができました。今回の教育実習をただのいい経験で終わらせるのではなく、学びを自分なりに昇華し、これからの大学での学修に活かしていきたいと思います。

 最後になりましたが、ご指導くださいました先生方、教育実習を運営してくださった方々、本当にありがとうございました。

 


教英ではこれから以下の入試関連行事があります。教英では、みなさんの学びや研究をサポートする体制が整っています。みなさんと一緒に英語教育について学び、考えることができることをスタッフ一同楽しみにしています!

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)

2月:前期日程入試

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)

 


2021/09/24

教員採用試験を受験して

4年生に、教員採用試験を受験した体験記をブログに寄せてもらいました。自身の経験をもとに、採用試験受験というプロセスをとてもわかりやすくまとめてもらっています。ぜひみなさんも参考にしてもらえたらと思います!

 



私は、この夏に教員採用試験を受験しました。受験までの期間に、ひたすらに学校教育と向き合ったことで、自分の思いや考えを見つめなおすことができ、教員になりたいという気持ちがより強くなったと感じています。

 

・準備から試験まで

一次試験(筆記)の準備は、大学三年生の冬ごろから少しずつ始めました。勉強を始める前は、今まで多少なりとも教育について勉強してきているし、なんとかなるかくらいに考えていました。しかし、実際に準備を始めてみると、知らないことや理解できていない部分が多くあり、焦りました。また、教員採用試験を受験するうえで、試験合格のみが目標ではなく、教員としての資質を高めることも必要でした。そのための、教員という仕事と自分なりに向き合って、自分に足りていない知識をつけていくという過程は、ここまでやればいいという範囲や終わりがないものであったので、心が折れそうになることもありました。

一次試験当日は、今までの筆記試験で一番緊張したのですが、自分がやってきた準備を信じて、心に余裕をもって受けることができました。一方で、ミスや勉強不足の部分もあり、見直しや確認をしっかりすることが私の一次試験の反省点でした。

 

二次試験(面接等)の準備は、一次試験の準備期間から少しずつ行っていましたが、一次試験終了後から本格的に始めました。①自分のことや教育に関することなどについて情報を集め、自分の考えを形成する、②アウトプットする、というサイクルで対策を進めました。教員採用試験を受ける教英生や、同じ自治体を受ける仲間などとの意見交換や議論を通じて、自分の考えを整理し、深めていく中で、教員となってどんなことをしていきたいのか、どんな生徒を育てていきたいのかという軸が明確化され、教員になりたいという思いが一層強くなりました。

当日は、緊張で面接官からの質問にうまく答えられないこともあり、反省点もありますが、等身大の自分で、今の自分のベストを尽くすことができたと思っています。また、現在も様々な形で教員として働いていらっしゃる受験者の方々と討論をしたり、待ち時間にお話ししたりすることができたのも貴重な経験になりました。

 

 

・受験を終えて

教員採用試験を振り返ると、反省点ばかり思い出されますが、結果がどんなものであっても、試験を受けてよかったと心から感じています。自分にとって、教員採用試験の本番や準備の期間は、大学生活の中で最も教育について考え、調べ、悩んだ期間であり、この経験を通じて、自分の学校教育や英語教育についての考えを深め、成長することができました。以前の私は、教育について学んではいるけれど、教育について情報を収集するということもあまりなく、受動的に得た情報を蓄積し、授業など求められた場面でそれを活用するという形でしか教育と関わっていませんでした。しかし、試験に向け準備してきたことで、教員を目指すという自覚が生まれ、教育に関する様々なことについて調べたり、ニュースや日常のことについて教育という側面から思いを巡らしてみたりなど、教育について自分のこととして、熱量をもって捉えるようになったと感じています。また、試験に向けて自分を奮い立たせ、勉強を進めていくという経験を通して、自分は目標に向けて努力していけるのだという自信を得ることができたのも大きな収穫でした。

 

また、教員採用試験で自分のベストを尽くせたのは、間違いなくまわりの人たちのおかげです。採用試験に向けた準備の中で、本当にこれでいいのかと不安になったり、心が折れそうになったりすることもありましたが、そのたびに、教採や就活にむけて頑張っている友人の姿や、様々な方がかけてくださった励ましの言葉が私のエネルギーになっていました。準備から受験までの期間を通じて、まわりの人がいてくれるありがたさ、心強さを感じました。

 

 

・今後

二次試験が終わり、無事に受験できたことにほっとしたのと同時に、「このままではいけない」という強い焦りのようなものを感じています。教員採用試験を通して、自分に足りていない部分をより明確にすることができました。教員に必要な力は、一朝一夕でつくようなものではないと思うので、まずは、卒業までの残り半年の大学生活を最大限に活用して、教養や専門性の向上、人間としての成長を目指して、勉強に加えて、様々なことに挑戦したり、経験したりしていきたいと考えています。そして、生徒が自分に自信を持って伸びていくことができる指導を行える教員になります。

 

最後に、これから教員採用試験を受験される方、自分が努力した分成長につながると思うので、自分を信じてがんばってきてください。応援しています!



 

 

教英ではこれから以下の入試関連行事があります。教英では、みなさんの学びや研究をサポートする体制が整っています。みなさんと一緒に英語教育について学び、考えることができることをスタッフ一同楽しみにしています!

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)

2月:前期日程入試

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)



 

2021/09/09

教英にVRデバイスが整備されました

教英にVRデバイスが整備されました。VRを使った英語教育研究については、学会等でも徐々に始まっており、これから様々な発展・展開が期待されています。

 






これからVR教材等も徐々に増えていくことが予想されます。教英でも、しっかりとこの流れに乗って(そしてその先導を切る形で)、日本の英語教育の発展に寄与していきたいと考えています!

 

ちなみに、教英に整備されたVRデバイスは、VR装着中の視線の動きを記録・分析することができ、教材開発はもちろんのこと、様々な方向性へ研究が展開できる優れものです。この装置を使って一緒にいろいろな研究をしてみませんか?


高校生のみなさん、そして大学生のみなさん、教英でこれからの時代の新しい英語教育について一緒に学び、さらにその発展に一緒に取り組んでみませんか。スタッフ、在学生一同、みなさんと一緒に学び、研究できることを楽しみにしています!


教英ではこれから以下の入試関連行事があります。

11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)

2月:前期日程入試

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)

 

教英の大学院生が全国英語教育学会で研究発表を行いました!

日本には英語教育関係の学会がいくつかありますが、全国英語教育学会はその中で最も歴史と権威のある学会の 1 つです。先月になりますが、教英の大学院生が研究発表を行いました。貴重な意見交流もできたとのことで、大変うれしく思います。今回、研究発表を行った池田泰士さんにブログ記事を寄せて...