教英の大学院では、英語教育学特別研究と英語内容学特別研究という授業科目があります。これは、修士論文を完成させるためのゼミのような位置づけの科目で、通称「特研」(「とっけん」と読みます)と呼ばれます。(教英大学院OBの方にとっては懐かしい響きはないでしょうか?)。毎週、担当の人が自分の修士論文の進捗状況について報告し、他のゼミ生や教員からコメントや助言をもらって自分の研究に役立てます。
今回はその第1弾として、小野章先生と管理人が担当する英語内容学特別研究について紹介します。なお、「内容学」というのはざっくり言いますと「英語教育内容に関する学問」という意味でして、この特研では、主に英語文学や英語学などの観点から英語教育研究を行う学生が集まっています。なお、教育学研究科である以上、英語文学や英語学の研究に終始せず、必ず英語教育研究として修士論文を完成させるという点は、本講座のとてもユニークな特徴です。
本日は、文学理論と文体論という領域の基礎理論に基づいて、高等学校の英語教科書に見られる文学教材をその言語的特徴に応じて区分けし、各タイプの文学教材ごとの指導手順を考察することを目指したとても挑戦的な研究の発表でした。高校の英語の先生は文学教材に苦手意識を持っている人が意外に多く、高校の教科書に文学教材が掲載されていたとしても、ついつい飛ばしてしまったり、扱い方が分からなくて結局論説文と同じような指導手順になってしまうことが、学会などでは問題となっているんです。この問題に一石を投じようという研究です。
他のゼミ生も英語文学、哲学、心理学、そして英語学の諸分野など、様々な分野の知見を使った英語教育研究を行っています。教英の大学院では、このような挑戦的な学び・研究も大歓迎です。一緒に、新たな知の創出の楽しみを味わっていませんか。
以下、ゼミの様子です。学生が熱心にお互いに議論しあっています。この質疑応答を通して、自分の研究の質を高めていくことになります。
なお、7月28日(日)には広島大学英語教育学会を開催します。ぜひご参加ください。
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