2018/12/30

広島大学英語教育学会 (2018/12/9) の報告



報告が大変遅れましたが、12/9(日)に広島大学英語教育学会を無事開催することができました。
二つに分かれていた学会が統合して最初の学会となりました。

遠くからお越しの皆様、さまざまな手伝いをしてくださった皆様、広大教英に関心をお寄せの皆様に改めて御礼を申し上げます。

以下、簡単に学会総会の報告を掲載します。敬称略をお許しください。


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総会報告

1 役員等の選出

■ 役員:以下の者を役員として承認した。
会長:深澤清治 (広島大学)
副会長(研究志向部門): 築道和明 (広島大学) 
副会長(実践志向部門): 樫葉みつ子 (広島大学)
研究志向部門長:  柳善和  (名古屋学院大学)
実践志向部門長:  山岡大基( 広島大学付属中高)
事務局長:   兼重昇 (広島大学)
編集委員長 : 川島浩勝 (長崎外国語大学)
会計:   西原貴之 (広島大学)
運営委員:   馬本勉 (県立広島大学)
運営委員:   小野章 ( 広島大学)
運営委員:  本岡直子 (県立広島大学)
運営委員:   柳瀬陽介 (広島大学)
運営委員:   山川健一 (安田女子大学)

■ 会計監査:以下の者を会計監査として承認した。
会計監査:  平本哲嗣 (安田女子大学)
会計監査:  大和知史 (神戸大学)

■ 名誉職:以下の方に名誉職に就任していただいた。
名誉会長:   三浦省五 (広島大学名誉教授)
顧問:  中尾佳行 (福山大学)


2 会則の確認および修正

2.1 広島大学英語教育学会会則:
学生会員の資格と終身会費の支払いについて修正を加えた。
新しい会則のダウンロード

 2.2 広島大学英語教育学会 理論志向部門規程
学術誌のWeb 発行に関して修正を加えた。
新しい規程のダウンロード

2.3 広島大学英語教育学会 実践志向部門規程
修正は加えなかった。
規程のダウンロード

2.4 広島大学英語教育学会研究奨励基金規程・大学院学生研究発表奨励金要項
修正は加えなかった。
規程のダウンロード

2.5 『英語教育学研究』投稿規程・執筆要領
学術誌のWeb発行による大幅な改定があるので、後日役員会で協議の上改訂し公表。


3 2017 年度事業報告 

3.1 (旧)広島大学英語教育学会 
・総会の開催(2017/7/22(土) 12:30-18:20)
・学術誌『英語教育学研究』第 9 号印刷・送付

3.2 (旧)広島大学英語文化教育学会 
・総会の開催(2017/7/23(日) 10:00-15:50) 
・第一回英語教育小論文コンテスト・対話の集い(2017/7/25 に The Japan News 紙に記事が掲載されました)


4 2017 年度会計報告  

4.1 (旧)広島大学英語教育学会 
4.2 (旧)広島大学英語文化教育学会


5 2018 年度事業計画 

・総会の開催(2018/12/9(日) 10:00-15:40)
・「大学院学生研究発表奨励金」の募集
・『英語教育学研究』の発行


6 2018 年度予算案 

・理論志向部門による学術誌発行形態について審議した。事務局からのA案(印刷媒体で発行で年会費4000円)とB案(Web媒体で発行で年会費2000円)に加えて、会員から提案されたC案(印刷とWebの両方の媒体で発行で年会費6000円)の三案で協議し、多数決でB案を採択した。

今後の予定
・今年度(2018年度)の理論志向部門の会費徴収は、総会開始延期のために遅れていたが、総会での決定に基づき、年会費として2000円の会費納入を会員に依頼することとなった。
・来年度(2019年度)の総会・大会は7/28(日)を予定している。


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学会総会報告は以上です。

以下の写真は、座談会と対話の集いの際のものです。
(情報交換会(ワンコインパーティ)の様子は、後日、会計報告と共にお知らせします。)










2019年が皆様にとってよい年となりますように。




2018/12/21

「Don’t miss it. 俺らKyoueiiiii くたばれ 肯定ばっか優等生」(学部一年生が作ったヒップホップ動画)



 この記事は、「英語教師のためのコンピュータ入門」での任意課題(「コンピュータを使って何か面白いことをやってくれ」)で提出された課題を紹介する3つ目の記事です。これらの公開にはすべて本人の了承は得ています。

 ここで紹介するのはヒップホップ動画です。やってくれました(笑)。こんなのが個人的にはサイコーに嬉しいです。

 これは完全に私(柳瀬)の個人的意見ですが、現在の学校教育界には、「昔-優等生・現在-ノイズ抑圧系」の人が多すぎるように思います。小学校から大学まで教師に与えられる課題を真面目にこなすことばかりで自己肯定感を得て教職につき、教職についたら現在の体制を不動の前提としてその維持に努め、その体制に対する疑問や反抗をノイズとして抑圧してしまうような人です。現在の体制を疑うような意見を述べる者には、すぐに苦虫を噛み潰したような顔をして「現実をわかっていないねぇ」と上から目線で言うような人です。(いつもながらの過度な単純化、ごめんなさい)。

 社会の秩序維持はもちろん大切なことです。しかし人間が作り出す社会秩序には常に問題があると考えるべきでしょう。民主主義は、言論の自由を保障することで社会秩序の柔軟な更新を許す社会的テクノロジーだと思いますが、今の日本は、そういった秩序変更を過度に抑圧する「空気」が強すぎるように思います。ひょっとしたら学校はそういった「空気」を作り出しているシステムの一つに成り果てつつあるのではないかとも私は思っています。

 授業の任意課題で、まさかヒップホップ動画を出すとは私は予想していなかったのですが、KY君と彼の仲間はそんな私の思い込みを心地よいぐらいに裏切ってくれました。


Don’t miss it. 俺らKyoueiiiii
くたばれ 肯定ばっか優等生


という彼らのことばに私は共感します。

 だんだんと若い世代の感覚がわからなくなってきた私のような中高年は、若い人たちに具体的な期待を押し付けるより、彼・彼女らを信頼しこれからの社会の構築を委譲することを少しずつ学んだ方がいいのかもしれません。







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Kyoueiiiii

MC☆ユウト a.k.a. John
          Feat. S.Y.U.N.Y.a.・ささききささ・Lick-FuG・上野マン

 

鳥取生まれ 西条(street)育ち
外国人ならみんな友達
俺はHip-hopの御曹司 lyricで教授を翻弄し
柳瀬先生にかませ先制
Sさえ取れねえ教英のエース
去っていくあなたへ贈る respect

第1回
実習でやらかすセンパイ 英語の発音もできねえ失態
そこから得た反省で完成した未来の先生
ぶつけた最高のホンネと本音
それできねえなら本でも読んで
好きな本なら芥川
未来(さき)につながるはずだから
奴隷化された時代の退廃
AI決める未来の采配
俺らの人生シナリオさえない
これから創ろう 期待のMy life
鍛えたPronunciation
すぐにできたら苦労なんてしねえよ
おしえてもらった発音表
これからもっと活用しよう


Don’t miss it. 俺らKyoueiiiii
くたばれ 肯定ばっか優等生
あがりたいたいならこいよKyoueiiiii
楽しみたいかこいよKyoueiiiii
Don’t miss it. 俺らKyoueiiiii
平成ラストかませ You know saying?
確かめるならこいよKyoueiiiii
教えてやるぜここがKyoueiiiii


Ted勉強さす先公勘弁せぇよ啓蒙うぜぇよ毛もねぇの?
でもDELCEの船長
まるであなたは赤髪シャンクス
伝えたいこの気持ちはThanks
ヒトとAI共進化
頓珍漢でも とんちきかせて
作るlyric降臨だ
ヒトとAI fall in love
ワードで振り返る過ぎ去った経過
エクセル駆使し浮きだったデータ
自慢のパワポ培った成果
207で向き合ったメンバー
最後に教わったLearn to live
ハングリー精神で格闘技
まるで蜂のように刺す感覚 sense
乗りこなしてこぜ 難なく全部


Don’t miss it 俺らKyoueiiiii
くたばれ肯定ばっか優等生
あがりたいたいならこいよKyoueiiiii
楽しみたいかこいよKyoueiiiii
Don’t miss it. 俺らKyoueiiiii
平成ラストかませ You know saying?
確かめるならこいよKyoueiiiii
教えてやるぜここがKyoueiiiii





追記
それでも若い世代の感覚を少しでも理解したいと思い、私はSpotifyで「ヒップホップ日本語ラップ」のplaylistを聞き、OZROSAURUSをフォローしはじめるという、イタイおじさん的行為をするのであった(笑)。


学部一年生が任意課題で提出してくれたホームページ


この記事でも前の記事と同じように、「英語教師のためのコンピュータ入門」での任意課題(「何か面白いことをやってくれ」)で提出された課題を紹介します。これらの公開にはすべて本人の了承は得ています。

ここで紹介するのはTMさんのホームページです。この授業で私は学生さんに授業で学んだことをポートフォリオにまとめてくれることを最終課題にしています。まとめる際の方針は、(1) あくまでも自分でまとめて面白いと思えるまとめをする、(2) その面白さを他人にもわかるように表現する、の二つです。

まとめる媒体はWordかPowerPointがほとんどなのですが、TMさんは「どうせまとめるならホームページを作ってみたい」と述べ、実際に作成してくれたのでこれを任意課題と認定しました。実はHTMLなどについては授業の参考資料としては少し示しましたが、授業ではほとんど何も述べませんでした。

しかし意欲とWebへのアクセス(そして英語力)さえあれば、昔からすると考えられないぐらいに独力で学べるというのが現代というものでしょう。TMさんは以下のホームページを作りました。





彼女の行動力を讃えたいと思います。「大学の授業はきっかけに過ぎないのであって、大学の教員から『あれをやれ、これをやれ』などと言われるのを待たずに、勝手に自分で面白いと思うことをやれ」と言い続け、下の記事で紹介したような行動法を推奨していた私としては、彼女のようにどんどんいろいろやってみる学生さんを心強く思っています。


伊藤穰一、ジェフ・ハウ著、山形浩生訳 (2017) 
『9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために』早川書房





2018/12/19

学部一年生が作った、ちょっとゆるい感じの動画「オープンエデュケーション --ウェブ社会を生き抜く力--」



学部一年生向けの「英語教師のためのコンピュータ入門」という授業で、「何か面白いことをやってくれ」というきわめてざっくりとした任意課題を出したら(笑)、何人かは本当に面白いことをやってくれました。教師として冥利につきる思いです。

これからいくつか紹介したいと思いますが、今日紹介するのはTHさんが作ってくれた動画「オープンエデュケーション --ウェブ社会を生き抜く力」です。

実は授業では動画作りなどについては一切教えていなかったのですが、THさんが自分で学んで作ってくれました。ちょっとゆるい感じがまたいいです(笑)。

みなさんもどうぞお楽しみください。






2018/12/06

12/9(日)一般公開企画:対話の集い「英語資格試験を問い直す」などのスライドを公開します。


以前からお知らせしておりますように、来る12/9(日)に広島大学英語教育学会が広島大学教育学部で開催されます。


再掲:12/9(日)に広島大学英語教育学会を開催します。
一般公開企画「英語資格試験を問い直す」には会員でない方も参加できます!


学会員でない一般の方は14:10からK102教室で開催される「小論文最優秀作品発表」と「対話の集い」に自由に・無料で参加できます。テーマは「英語資格試験を問い直す」です。

15:40から開始される情報交換会(ワンコインパーティ)は茶菓子代として500円ほどいただきますが、参加は自由です。

以下に掲載するのは、当日、その公開企画で投映する予定のスライドです。




このスライドのPDF版は下のQRコードやURLからダウンロードできます。




皆様、どうぞお気軽にお立ち寄りください!






2018/12/04

再掲:12/9(日)に広島大学英語教育学会を開催します。一般公開企画「英語資格試験を問い直す」には会員でない方も参加できます!







この夏に豪雨災害により延期した広島大学英語教育学会ですが、以下の要領で開催します。午後には一般公開企画もありますので、会員の方々はもとより英語教育に興味をお持ちの生徒・学生・英語教師・一般市民の方々もぜひお越しください。


■ 名称: 広島大学英語教育学会

■ 日時: 2018年12月9日(日)10:00-16:30
※ ただし一般公開企画は 14:10-16:30

■ 場所: 広島大学教育学部K104教室・K102教室
※ 広島大学東広島キャンパスは文字通り「広大」なので(笑)、初めてお越しの方は十分に地図などで場所をご確認ください。

■ スケジュール
09:30-10:00 (K104) 受付
10:00-10:40 (K104) 学会総会
10:50-12:00 (K104)    実践志向部門・座談会
「新任者教員の苦労と展望を語り合う」
 登壇する初任者教員
壬生川奏美(広島県福山市立手城小学校教諭)
高橋 伶奈(広島県三原市立第二中学校教諭)
重定 拓実(岡山県立倉敷工業高等学校教諭)
手島 英華(広島県立尾道東高等学校教諭)
 コーディネーター
樫葉みつ子(広島大学教育学部准教授)
12:00-13:00       昼食
各自でお取りください。
13:00-14:00 (K104)     研究志向部門・研究発表
「日本人英語学習者の不平発話行為運用に対する英語母語話者による適切性判断の分析」
梅木璃子(広島大学大学院生博士課程後期)
         
「日本人英語学習者が産出する英語移動表現の特徴と産出に困難を感じる表現の特性」
平野洋平(神戸市立工業高等専門学校准教授)
 14:10-14:30 (K102)    小論文最優秀作品発表
 ゲスト:清水一生さん(第二回英語教育小論文コンテスト最優秀賞受賞者)
 14:30-15:30 (K102)    対話の集い
「英語資格試験を問い直す」
一般参加者も含めて、参加者全員が対等な立場で語り合います。
 コーディネーター
 柳瀬陽介(広島大学教育学部教授)
15:30-15:40 (K102)    閉会行事
15:40-16:30 (K104)    情報交換会(ワンコインパーティ・500円)
茶菓子代500円でどなたでも参加できるパーティです。
忌憚のない話を楽しみたいと思います。ぜひご参加を!



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以下、主な行事のチラシも掲載します。






実践志向部門主催の座談会では、初任者教員の様子を率直に語っていただき、会員相互で知恵を共有したいと思います。これから教員を目指す学生会員が将来について学べる機会であることはもとより、先輩教員も初任者教員の本音を知ることにより学べますし彼ら・彼女らに助言をすることで充足感を覚えることもできるかと思います。一人でも多くの会員の皆様の参加をお待ちしております。









研究志向部門の研究発表では、新進気鋭のお二人の発表を聞きます。最新の研究成果について学びませんか。こちらも多くの会員の皆様の参加をお待ちしております。











一般公開企画は、14:10の「小論文最優秀作品発表」から始まります。受賞者の清水一生さんをお呼びし、作品で表現したかった意図を語ってもらい、次の「対話の集い」につなげます。

14:30から始まる「対話の集い」では、「英語資格試験を問い直す」をテーマに、会員・非会員の枠を超えて英語教育の今後のあり方について対等な立場で語り合います。

主な論点は、小論文最優秀作品で示された以下の三点です。
・英語資格試験は「グローバル社会」を生き抜く人材を育成しているか?
・英語資格試験の面接はあまりに形式的で機械的すぎないか?
・英語資格試験は過剰なプライドだけを与えているのではないか?

短い閉会式を終えたら、最後の一般公開企画である情報交換会(ワンコインパーティ)を15:40から開始します。「三人寄れば文殊の知恵」ではありませんが、「対話の集い」では語りきれなかったこと、および英語教育一般についてなどなど、気軽に話し合いたいと思います。

「来てよかった」と思っていただける学会にします。どうぞご参加を!






卒業論文中間発表会を開催しました!

すっかり時間が経ってしまいましたが、先月 4 年生の 卒業論文中間発表会を開催しました。今年度もみんなが独創的な研究に取り組んでいます。中間発表会には 3 年生も参加しました。質疑応答は基本的に学生同士が行いました。大変、有意義な時間となりました。   【管理人のゼミ生の...