先日高知県立大学永国寺キャンパスで開催された日本英文学会中国四国支部第77回大会で博士課程後期の形山さんが研究発表を行いました。「教英なのに日本英文学会?」と不思議に思われるかもしれませんが、実は英語教育に関する研究発表は英語教育関連学会だけでなく、英語や教育、心理学などに関わる様々な学会で広く募集されています。大学院生は、英語教育研究に専門的に取り組んでいる学会だけでなく、自分の研究テーマに応じてその他の学会でも研究発表を行います。形山さんは文学を使った英語教育研究を行っているので、今回は英文学会での研究発表に申し込みをしました。
今回、形山さんに、ブログ用に記事を書いてもらいました。
日本英文学会中国四国支部第77回大会に参加して
みなさんこんにちは。教英の博士後期課程に所属しております、形山
羽奈と申します。この度、2025年10月24日・25日に高知県立大学で開催された日本英文学会中国四国支部第77回大会に、発表者の一人として参加いたしました。
本学会は、英文学や英語教育に関する知の創造を目的として毎年開催されており、研究者による成果発表が行われます。今年度の大会でも、文学作品に対する新たな解釈や、文学を教育に導入するための方法論の共有など、多岐に渡る発表が行われました。
私は、文学作品の中でも特に英語詩に関心を持っており、複数人で英語詩を読解することの意義について研究しています。今回は、研究の現時点で得られた成果を発表しました。歴史ある本学会で発表させていただくのは今回で3度目となり、こうしてまた学ばせていただけたことに深く感謝しています。やはり発表は緊張しましたが、質疑応答で得た指摘や他の先生方の発表を聞くことで、新しい視点や改善点に気づくことができました。
今年度から、私は常勤教員として勤務する一方で、博士後期課程の学生として研究を続けています。授業と研究の両立は決して容易ではありませんが、その分学びや楽しさも大きくあります。教英の先生方からのご指導やゼミ生のサポート、勤務先の先生方のご理解に支えられながら、充実した生活を送っています。
今回の発表を通して、学会発表や授業、論文執筆を継続的に行われている先生方のすごさを改めて実感しました。多忙の中でも研究を続け、成果を社会や教育に還元し続ける姿に感銘を受け、自分はまだまだだなと感じると同時に、さらに成長していきたいと思いました。
参加を終えて、この道を進むきっかけとなった出会いを思い出しました。修士課程時代、小野先生の授業で導入された『英語科学論文をどう書くか』(保田幸子著)の一節です。
~科学論文は、研究者同士のコミュニケーションのツールである~
この言葉に、当時の私は大きな衝撃を受けました。論文というと、結果を記録するものという印象が強かったからです。しかしこの一節を読むことで、論文は単なる記録ではなく、研究者同士が知識を共有し、議論を深め、新しい知を生み出していくための手段なのだと理解しました。
これまでの私は培われてきた知識を享受することの方が多くありましたが、これからは自ら多くを発信できる「研究者」を目指し、さらに精進してまいります。今回の学びを糧に、英語詩を通した英語学習の可能性をさらに深め、授業や研究に具体的な形で還元できるよう、成長していきたいと思います。
教英の特に博士課程後期では、大学などで常勤の教員として勤務しながら研究を続けている学生が多く在籍しています(通称、「社会人院生」)。社会人院生は、博士課程後期には最長で9年在籍(休学を3年した場合)でき、日頃の業務をこなしながら自分のペースで研究を進めることができます。通常でれば、3年で博士課程後期を終えるのですが、9年在籍しても学費は変わりません。つまり、3年分の学費を9年に分けて支払うというイメージです。このことによって、社会人院生も仕事をしながら安心して博士論文に取り組むことができます。
教英ではこれから以下の行事があります。研究指導に関するサポートも整っていますし、院生はみなしっかりと博士号を取得して教英を修了しています。みなさんも一緒に教英で学びませんか。みなさんと一緒に研究できることを楽しみにしています。
11月:広島大学光り輝き入試(AO入試)(学部入試)
2月:前期日程入試(学部入試)
2月:大学院入試(博士課程前期・後期)
なお、教英では、2025年11月1日(土)にホームカミングデーの1企画として、17時30分から19時まで英語教育オンラインセミナーを開催します。詳細は以下の通りです。英語教員を目指している高校生や大学生、現職の中高の英語教員の方、大学で英語教員養成に従事されている研究者の方まで幅広くご参加いただけます。なお、参加には事前申し込みが必要となります。申込期間は10月29日(水)までとなっております。英語教育について一緒に考えてみませんか。多くの皆様のご参加をお待ちしております。


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