前期に開講した授業のご紹介です。
8月上旬、3年生の授業「英語教育研究法」の最終課題として、「共同ミニ研究」発表会を行いました。
興味関心に応じて7つのグループ(英語教育系、文学系、英語学系など)にわかれ、それぞれのテーマについて文献研究や調査を行いました。
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受講生の藤井さんに、共同ミニ研究発表会の様子をレポートしてもらいました。
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3年生が受講している英語教育研究法という講義で共同ミニ研究会が行われました。
この講義では、後期以降のゼミ配属のために、英語教育に関する研究分野のことを知り、それらをどのように研究していくのかを学ぶことが目標となっています。
この講義の後半では、我々受講生を共通する研究テーマごとにグループ分けし、そのテーマについて研究する時間が設けられ、最終回では、その研究成果をプレゼンするミニ発表会が行われました。
講義中にグループワークの時間が与えられ、受講生同士でデータ収集をしました。英語長文の読解、英語による質疑応答、アンケートへの回答など、各グループが試行錯誤して研究している様子を見て、研究の難しさと奥深さを少しですが体験することができたと思います。
最終回で行われたミニ発表会では、それぞれ持ち時間を12分程度として成果発表と質疑応答を行ったのですが、やはりどのグループも短い期間ながら面白い成果報告をしていました!
ここからは各グループのざっくりとした研究内容と、僕の個人的な感想や学んだことについて書きたいと思います!
〇グループ1
信頼できない語り手から英語の学びは得られるか?
僕の属するグループ1では、英語文学についての研究を行い、カズオ・イシグロ氏の著作「A family supper」をテーマに、文中において意図的に情報を隠していたり、読者に情報を提供しない「信頼できない語り手」という概念から英語長文の読解につながる「読むことの難しさ」などについて考察しました。
同タームに開講されている「英語教育と英語文学」という講義で取り扱われた「A family supper」を再び自分たちの手で見つめ直そうと思い、何度も何度も読み直しては文章中の表現について話し合うのを繰り返していたのですが、書き手の意図と読み手の意図を十分に擦り合わせた上でどう教育に落とし込むかを考えるのはとても大変でした…
〇グループ2
英語学習者の意見表明における確信度と表現選択
グループ2では、英語教育において文法・語彙だけでなく、場面や意図などに応じた表現選択の育成が重要視されているという考え方から、日本人の英語を学習している大学生と英語母語話者を対象にアンケートを行い、I think や I agree などといった自身の意見を表明する際に用いられる表現を確信の度合いから分析することで、日本人英語学習者が英語を用いて意見を表明する際にどのような特徴が見られるのか、またその特徴から表現選択および意見文などにどういった指導ができるのかを考察する実験が行われていました。
経験上、自分の意見を書く課題で真っ先に思いつくのはI thinkです。自分の意見に対する確信の度合いが関係することを意識せず使っていたように思います。使える英語表現の幅を広げて、もっといろいろな言い回しができるように勉強を重ねていきたいと考えさせられました!
〇グループ3
スキーマ理論における前提知識の事前提示が読解成績に及ぼす影響
グループ3では、読解力の育成が重要とされる英語教育において、未知語や内容理解に対する心理的負担を抱える学習者の悩みに対し、既有知識や背景知識の枠組みであるスキーマを軸に、事前に提示されるスキーマ情報量が英文読解の正答率に与える影響を検討する研究が行われていました。
これによって、授業前・活動前の効果的な事前活動の設計に示唆を与えるとともに、英文読解への応用が期待されるとのことで、学習者のワーキングメモリの負荷軽減や速読・読解効率の向上が望める有意義な研究であると思いました。語注など、教材を作成・活用する際にも参考にしたい視点です。
〇グループ4
教員養成課程における大学での「学び」と教員志望度の変化
グループ4では、令和六年度教員採用試験の受験者数が大幅に減少したという事柄から、広島大学教育学部第三類英語文化系コースにおける教員志望度の変化とその要因を調査し、教員志望度の変化の要因をカテゴリー化することで、教員志望者数減少の背景にあるその要因を突き止め、解消への示唆を行うという研究が行われていました。
志望度の変化や心変わりの要因が明らかにされることで、同じ志を持って切磋琢磨してきた仲間たちがどのような考えや悩み、葛藤をもっているのかが少しですが明らかになったような感じがしました!
〇グループ5
ペアワークにおける積極性の妨げに対するジェンダーの熟達度の影響
グループ5では、学習指導要領に記載されている、『「やり取り」や「即興性」を意識した言語活動が十分ではない』という課題に対して「主体的・対話的で深い学び」が重視され、ペアワークを取り入れた授業が行われている現状に対し、実際にはペアワークに対して消極的になる生徒も見られるという観点から、中学校・高校の授業内ペアワークに積極的に参加することができていなかった生徒の実態及び要因を、ジェンダーと熟達度の影響とともに明らかにしようとする研究が行われていました。
ペアワークに抵抗感をおぼえる人・そうでない人でどのような違いがあるのか、性差や英語に対する理解度・熟達度が抵抗感にどのように影響を与えているのかを理解することで、それを取り除けるような導線の敷き方、指示の出し方などを考察することができる、将来多くの先生・生徒にとって役立つ研究だと考えました!
〇グループ6
母語によるフィラーの使用がスピーキングタスクにおける発話量とスピーキング抵抗感に及ぼす影響
グループ6では、即興会話への強い抵抗感・「しっかり内容を考えて話したい」という試行時間の欲求・発話への躊躇や過度の沈黙による発話機会の減少といったスピーキングにおける課題に対し、無意識のうちに発される母語でのフィラーが心理不安を低減しようとしているのかということを明らかにする研究が行われていました。
英語での発話を行う際、「どうしても英語で言えない…!」という瞬間に直面すると思うのですが、無意識のうちに発される母語のフィラーが初期英語学習者にとってはスピーキング不安の軽減に繋がるかもしれないという知見を得ることができました!
〇グループ7
現行中学校検定英語教科書における国と地域名の使用状況調査
最後に、グループ7では、中学校学習指導要領の外国語科の目標及び内容において「外国語の背景にある文化に対する理解を深め,聞き手,読み手,話し手,書き手に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養うこと」が示されていることを背景に、英語教科書の分析を行っていました。教科書は言語知識だけでなく異文化理解を促す教材として重要な役割を担う一方で、教科書内で扱われる国や地域には、教科書会社ごとに取り上げ方の違いや偏りが存在する可能性があります。現行中学校検定英語教科書における国と地域名の使用状況を調査し、その特徴や傾向を明らかにすることで、各教科書がどの程度異文化理解に配慮した内容となっているのかを分析し、学校が教科書を採択をする際、そして保護者や生徒が学校で使用する教科書の特徴を理解する際の資料とするための研究でした。
英語の教科書、および授業では「英語」を取り扱うという点から国際交流や異文化コミュニケーションに重きを置いた内容が多く掲載されているため、その中でも特にどの地域・国にスポットが当たっているかを知ることで、特定地域に対しての内容の深掘りを可能にするだけでなく、触れられていない国と地域についても視野を広げることのできる示唆に富んだ研究だと思いました!
どのグループも様々な切り口から研究を行っており、一人では思いつきもしないようなアイデアの溢れる研究成果発表だったと思います!この経験が今後、卒業論文執筆や自分の関心のあるテーマについての研究に多いに役立っていくと確信しています!
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藤井さん、詳細なレポートをありがとうございます!
授業まとめのレポートにもなりそうな大作、感謝…(ブログ管理人)
先週、ゼミの配属が決定しました。この授業で学んだことを、それぞれの研究に活かしてほしいと思います。
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