2022/12/17

留学中の教英生から

現在、イギリスのシェフィールド大学に留学中の教英生から生活の様子について紹介してもらいました。充実した毎日を送られているとのことで、とてもうれしいです。様々な経験をして、充実した留学にしてもらえたらと思います。



私は教英の3年生で、9月中旬から、イギリスのシェフィールド大学で留学生活を送っており、2月初頭まで滞在する予定です。こちらは、10月いっぱいでサマータイムが終わり、一段と冷え込んだり、日も1600ごろから落ち始めたりで、いよいよ冬になるなと感じています。本記事では、私の現在のイギリスでの生活について、紹介させていただきます。


まず、学校生活についてです。私は現在4つの授業を履修しています。留学生だけではなく、現地の学生も3から4つ程度の授業を履修しているようです。4つと聞くととても少なく感じるかもしれませんが、その分、求められている授業時間外学習の量がとても多いのが印象的です。私が履修している授業のひとつでは、毎週セミナー(先生と生徒が入り交じって議論をする、議論型の授業)にむけて23本の論文を読んでいく必要があります。見慣れない英語でいっぱいの論文を読むのにとても苦労し、心が折れそうになる時もありますが、自分なりに論文を理解してセミナーに臨めるように頑張っています。


授業が始まったばかりのころは、どの授業でも、先生や他の生徒の発言をほとんど聞き取れないまま、120分の講義が終わるというような感じでした。今も授業に置いていかれるときはよくありますが、友達に助けてもらったり、先生のオフィスアワーを利用させてもらったりして、ついていけるように奮闘しています。特に好きな授業はセミナー形式のもので、自由に意見を交えることのできる雰囲気の中で、先生も生徒も公平に議論を交わすのは、私にとって新鮮で刺激的な時間です。


授業が終わった後や、休日は、友達と料理を作って食べたり、勉強したり、旅行に行ったりしています。勉強は大変ですが、このような友達との時間のおかげで毎日リフレッシュができています。シェフィールド大学は留学生が多いことも特徴の一つであり、サークルでも授業でも、留学生が特別視されないため、留学生にとっては友達を作りやすい環境なのかなと思います。それと、初対面の人と話すのに敬語を使わなくてよいのも、友達を作るハードルを下げてくれているなと実感しています。

 

次に、日常生活についてです。私は大学の寮で、私を含めた6人のフラットメイトとキッチンを共有して生活しています。フラットメイトはドイツ、オランダ、香港から来ていて、正にリンガフランカとしての英語を体感しています。フラットメイトに恵まれて、みんなとても親切で、寮での生活に困難は感じません。強いて言えば、フラットでのルールについて、何か気づいたことがあるたびに、言葉にして共有するのは新鮮でした。私の場合は、まあいいかと飲み込んでしまうことが多いのですが、フラットメイトは都度メッセージアプリのグループで注意や意見を発信しているので、自分も思ったことは言っていいんだな、言わないと伝わらないんだな、と意識しています。


食事については、留学前は少し心配をしていましたが、全くの取り越し苦労でした。むしろ、スーパーで買えるチーズやバター、ソーセージ、パンなどがとてもおいしく、種類も多いので、帰国するまでにできるだけたくさん食べたいと思っています。また、フィッシュアンドチップスやサンデーローストなどのイギリス料理や、各国の民族料理などを楽しめる外食も、とても好きな時間です。


最後に、イギリスで生活をしていて日本での生活との違いを日々体感していますが、今記事ではその中で二点紹介させていただきます。まず、人々の振る舞いや距離感がとてもカジュアルであることです。レストランやスーパーの店員さんは、電話をしながら、ガムや飲み物を口にしながらなど、自由に働いている印象で、接客のときもフレンドリーに話してくれます。街や大学で会う人々も距離感が近いことが多く、お店の列に並んでいるときに、シェフィールドで生まれ育ったというご高齢の男性が話しかけてくださって、お話ができたのは良い思い出です。もう一点は、多様な民族的バックグラウンドを持った人々に、出会える機会がより溢れていること、またそのような多様性が人々の生活の中で受け入れられているなと感じることです。イギリスに来るまで日本を出たことがなかった私にとっては、イギリス人の友達はもちろん、欧米諸国やアジア各国から来ている人々と友達になってお話ができるのが、とても刺激的で、世界にはたくさんの国や様々な文化、言葉が本当に存在しているんだと感動する日々です。民族の多様性とは離れてしまいますが、多様性が受け入れられているなと感じたのは、どのレストランにもヴィ―ガンメニューが存在することで、先日見たテレビ番組では、罰ゲーム(オリジナルは虫をたべるというもの)にヴィ―ガン用の代替品が用意されていました。


日々新たな驚きや経験に恵まれ、充実した毎日ですが、楽しいだけで終わらず、経験や学びを将来に生かせるような留学にしたいです。また、留学での準備段階や留学中に大変お世話になった(なっている)教英の先生方や、いつも話を聞いたり励ましたりしてくれる教英の仲間たちに感謝の気持ちを忘れず、あと2か月強、目一杯経験を積んできます。

 


友人と


シェフィールド市庁舎



サンデーロースト



シェフィールドの街並み



広島大学では留学制度も整っています。今回記事を書いてくれた学生は半年の留学ですが、4年間で卒業することができます。ですので、安心して留学に行くことができました。みなさんも教英で学びつつ、留学も体験してみませんか。

 

教英ではこれから以下の入試関連行事があります。

 

2月:前期日程入試

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)


2022/12/03

現職の英語教員を招いての英語教育セミナーを開催しました

中高の現職の英語教員をお招きし、主に教英の3年生と4年生を対象として、英語教師という仕事の実際についてお話してもらいました。

 

まずは瀧口真己先生(尾道市立久保中学校教諭)に登壇いただき、中学校での実践について、特にITCを使った活動を中心にお話いただきました。そして、ITCを使いながら、英語が苦手な生徒への関心を引き付けていくために日々実践されていること、そしてこのことに関して今感じている課題について話していただきました。瀧口先生はこの3月に教英を卒業されたばかりで、新任教師ならではの戸惑いについてもお話いただきました。また、教員になった今だからこそ感じる大学時代にやっておいた方がよかったことや教員採用試験に向けてどのように勉強したかといったことについても話してもらいました。すっかり英語教員になられていて、元チューターとしてとても頼もしく感じました。

 

続いて、水野麻子先生(広島県立広島国泰寺高校教諭)に登壇いただき、高等学校での実践についてお話いただきました。水野先生も教英のOGで、2年前に教英の大学院を修了されました。高等学校は現在年次進行で徐々に新学習指導要領での教育に切り替わっていっている最中です。今回は新しい学習指導要領下での英語教育を受けている高校1年生への授業実践を中心にお話いただきました。特に教科書を活用した活動事例を豊富にご披露いただきました。また、新しい観点別評価をパフォーマンステストの中で他の教員と協力してどのように実践しているかということやITCを使用した授業実践についてもお話いただきました。授業の風景についても見せていただき、高校生が一生懸命さの中で、でも楽しみながら自己表現をしようとしている姿を見せていただきました。

 

お二人の先生方への質疑応答の時間は長めに取り、教英生からの様々な質問に答えていただきました。「授業中に日本語はどれぐらい使っているのか」、「主体的に学習に取り組む態度の評価をどう行っているのか」、「書くことなどの活動で機械翻訳を使ってしまう生徒に対してどのように対応しているのか」、といった、気になるけどなかなか聞けないことについても具体的に話していただきました。

 

最後に、広島県立広島叡智学園中・高等学校長の福嶋一彦先生に「広島県の学校教育から思うこと~教職生活を振り返って~」という題目でご講演をいただきました。広島県立広島叡智学園中・高等学校は国際バカロレア認定校として開校し現在4年目ですが、これまでにどのような課題があったのか、そして最初の卒業生が出るまでにこれからどのようなことを整備しなければならないのか、といったことを具体的にお話いただきました。学校教育では、これからは、様々な文化的背景の人たちと一緒に協働して様々な課題を解決できる生徒を育成していかなければなりません。広島県立広島叡智学園中・高等学校のカリキュラムはまさにこれからの時代の学校教育の範となるべきものではないかと思いました。帰国子女ではない日本人生徒が様々な文化的背景の人と学友として共に学び、堂々と、そして充実した学生生活を送っている姿をVTRで見せていただきました。

 

教英生のみなさんは、英語教師という仕事、そしてその魅力についてこれまで以上に明確なイメージができたのではないかと思います。本当に有意義なセミナーとなりました。3人の先生方におかれましては、ご多用にもかかわらず、貴重なお話をいただきまして、本当にありがとうございました。

 

教英ではこれから以下の入試関連行事があります。

 

2月:前期日程入試

2月:大学院入試(博士課程前期・後期)

 



卒業論文中間発表会を開催しました!

すっかり時間が経ってしまいましたが、先月 4 年生の 卒業論文中間発表会を開催しました。今年度もみんなが独創的な研究に取り組んでいます。中間発表会には 3 年生も参加しました。質疑応答は基本的に学生同士が行いました。大変、有意義な時間となりました。   【管理人のゼミ生の...