広大教英では1991年より英国エディンバラ大学での語学留学プログラムを実行していますが、この度、そのプログラムから帰ってきたばかりのM君(学部2年生)に留学を振り返った文章を寄稿してもらいました。(M君、お疲れのところをありがとうございました)。
信頼できる環境で確実に英語と異文化交流を学びたい方はぜひこのプログラムをご活用ください。
広大教英HP:留学制度
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(お気に入りのPortbello Beachから見た夕日)
今年度4月から7月までの約4ヶ月間、英国スコットランドの首都エディンバラに留学してきました。エディンバラで学びたい理由はとても明確で、「自分を試したい」という強い思いでした。以下の文章は主に3つの観点から貴重な海外経験を振り返り、学んだこと・気づいたことを整理したものです。拙い文章ではありますが、これを読んでくださった方が少しでも海外留学に興味を持っていただけたら幸いですし、挑戦するきっかけとなることを願っています。
1. 英語力
正直なところ留学に行く前は、「自分の力はどの程度(レベル)なのか」について何度も考え直し、4ヶ月後の自分を思い描けず不安を感じていました。目標は予め決めていたものの、具体的な手段を思い浮かばないまま日本を発ちました。
自分なりに分析しますと、確実に聞く(listening)と書く(writing)分野において顕著な進歩が見られたと感じています。まず聞く力に関してですが、徹底してPodcastというアプリケーションを用いてBBCのラジオなどで英語を聞くことを習慣づけました。行き帰りのバスの中や入浴時、合間時間を有効に無駄なく使うことを心がけました。さらに聞き流すだけでなくディクテーション等の方法で英語を再生するなどの工夫を凝らしました。結果として、ミュージカルのセリフや飛行機内アナウンスの英語の内容の理解速度が上がるなどの成果を見出すことができました。
次に書く力について、私は継続的な日記(journal)とEAP(English for Academic Purposes)という授業を通して自分のライティングを見直すことができ、その違いに驚きました。現地の先生から生活の中で感じたこと・学んだこと・気づいたことを日記に残すよう指導され、見返す度当時の自分を振り返ることができました。さらに語彙や表現の、論理性を意識した構成など、授業で習ったことを(家庭)学習で実践する一連の流れに留意しました。(もちろんこれまでも行なっていましたが)内容のつながりに配慮することで読者を意識したまとまりのある文章を英語で書くことがさほど苦にならなくなりました。
2. 学びの環境
留学の醍醐味と言えばやはり“生きている”英語を学べる点ではないでしょうか。少し強い表現をしましたが、私は英語が実際に使われている状況を把握できる場面が豊富にあるということを意図しています。スーパーやレストラン、バスなどの交通機関はもちろん街中身の回りのあらゆるものから英語を学べる、そんな恵まれた場所での英語学習は価値あるものでした。またネイティブの人々が何気なく使用するイディオムやインフォーマルな表現なども全て含み、私が尊敬するフランス語の先生のお言葉を拝借しますと、教科書の中で「飼育」されているだけの英語と「放し飼い」の英語との差異を実感することができました。
3. 思いやりに溢れる現地の人々
留学を通して達成したい最大の目標は、「現地の人々との個人的なつながりを作る」ということでした。前年度同じ留学プログラムに参加した先輩から頂いた、自分で“行動を起こす”ことが重要だというアドバイスを心に留めました。自分から積極的に授業の先生やhostと会話を設けることで距離を縮めることに成功しました。また、hostのお姉さんの家族にも会うことができ、小さな子に英語で読み聞かせする、ビーチで遊ぶなど、貴重な時間を共有することができました。
異なる価値観や文化的背景を備えるネイティブと英語で様々なトピックに関して議論するのは容易なことではありませんが、互いに理解し合えた時の達成感・充実感は筆舌に尽くしがたいものです。さらに私が英語学習者であることを知りながら、ネイティブは「手加減をしないでくれた」こと、随所で感じた「分からなくて悔しい」、「伝わらなくて悔しい」という気持ちがさらなるモチベーションに繋がっていたと実感しています。何よりも、私が出会った人は全員優しさに満ちており、この出会いは生涯をかけて自分の中に生き続けると確信しています。
留学に来ることがすごい!とか、海外で学んだからすごい!とか、私はそういう風には全く思いません。ですが、自分の五感を通し、誠心誠意向き合い努力して得たこの経験はどんなものにも変えることはできないし、今の自分と留学前の自分は明らかに違うと私は知っています。だからこそ、日本でも様々なことにこの4ヶ月間の財産を活かしたいし、いつの日かエディンバラに再び戻りたいです。
私に携わっていただいた、素晴らしい関係を築くことができた全ての方々に感謝を申し上げ、振り返りを終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。