2018/03/30
そして新年度へ
卒業式・修了式は3/23(金)に行われましたが、なんだかそれがずいぶん昔のことのようです。
昨日、私はようやく卒業式・修了式で撮影した写真を卒業生・修了生にダウンロードできるように手配することができましたが(遅れてごめんなさい)、写真を現像(露出の微調整やトリミング)をする際に、一人ひとりの笑顔を見ながら、「そうか、これからこの笑顔に日常的に会うことはないんだなぁ」と感慨にふけっていました。
しかし卒業生・修了生は、それぞれの新しい場所で、その笑顔を開花させるはずです。ですから、さびしく思う必要はなく、彼ら・彼女らの健康と活躍を祈るばかりです。
と、書きながらも一方で、来週から新年度が始まります。
教英の学部・大学院にも新たなメンバーが加わります。
彼ら・彼女らの人生が充実するために、しっかりと教育活動に励み、その教育活動を支える研究活動と行政仕事をきちんとやらねばと思います。
2018/03/16
教英15の江澤隆輔先生が二冊目の著書『中学英語ラクイチ授業プラン』を出版!
以下は、教英OBからの心強いメッセージです!ますますのご活躍を祈念しております!!
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先日、明治図書出版社様から『中学校英語サポートBOOKSテーマ別英作文ドリル&ワーク』出版のお知らせをさせていただいた教英15の江澤隆輔と申します。このたび、学事出版株式会社様から拙著2冊目『中学英語ラクイチ授業プラン』を発売することとなりましたので、この場をお借りして報告させていただきます。
この「ラクイチシリーズ」は先日、日本アクティブ・ラーニング学会から非ICT部門で金賞をいただいており、対話的で深い学習を大いに期待できるものと確信しております。また、関西大学の田尻先生、富山高等専門学校の楽山先生のアドバイスもいただきながら執筆しました(3月末のワークショップで、直接田尻先生に本書をお渡しする予定です)。ぜひ、この記事を読んで、本書を少しでも知っていただけたらなと思います。
この本は、「ラクに楽しくイチ時間(ラクイチ)」をコンセプトにした、これまでにないタイプの授業プラン集です。ラクイチ国語、社会に続いて、シリーズ第3弾になります 。
教師生活をしていると、明日の授業準備が追いつかない、次の1時間を何とか乗り切らなければならない、といったピンチに陥ることがあります。その原因は様々ですが、急に授業の代行をお願いされた、部活や行事の担当で忙しい、試験実施直後で採点業務と並行している、生徒指導に時間を取られてしまった、などの理由があります。教員として採用された直後は、どの単元も初めて教えることになるので、授業準備が追いつかないことが私は多々ありました。そんなとき本書のようなプラン集が本当に役に立つと思います。
本書で紹介している「ラクイチ授業プラン」では、準備の手間が少なく、様々な切り口から1時間を実りあるものにできる授業プランを50本集めてあります。ラクイチ英語では各学年で使用できるプランと、全学年で使用できるプランで4つのパートに区分けして収録しました。この50本のプランは、福井県の中学校英語教員4名(10年ほど前に教英の大学院にいらした橋本秀徳先生にも協力してもらいました)の先生方にお声がけし、指導案とワークシートを持ち寄り、1年以上にわたり議論・校正を重ねたものです。
そんなラクイチ授業プランの条件は以下の3つです。
1.1時間で完結する
2.準備に時間がかからない
3.誰でも実践できる
この授業プランは、単に急場をしのぐだけではなく、もっと積極的な使い方もできると考えられます。例えば、教科書での学習を終えた後に発展課題・まとめや理解の確認として活用する、研究授業や体験授業会のときに実施する、クラスの学習意欲が下がっている時に気分を変えるために取り入れる、等、様々な場面で応用的に使うことができます。
さらに、それぞれの授業プランを素材(ソフト)と学習活動(ハード)の組み合わせとして表現してあります。それらの項目を入れ替えていくことで、新たな授業プランを発想することが可能です(発想を手助けするために、巻末にカードを付けてあります)。教職に就く予定の大学生・大学院生の方々にとって、このカードを使って授業を考えてみることは採用試験の模擬授業等に向けた良いトレーニングになるでしょう。また、カードをトランプのように重ねて、引いた素材(ソフト)と学習活動(ハード)を組み合わせて、即興的に授業を生み出すようなトレーニングも考えられます。このトレーニングのやり方に関しては、動画にしてYouTubeにアップしています(「ラクイチ」でYouTube検索をすると1分から2分程度の動画が4本出てきますので、参照してください)。
本書の役割は、主に2つに分けることができます。
1つは、「非常食」としての役割です。普段は職員室に置いておき、いざ時間がない、となればこの本を開いて、使えそうな授業プランを探してみてください。何かヒントが見つかるはずです。また、いくら急場をしのぐプランとはいえ、先生も生徒も笑顔で1時間を過ごし、授業のねらいが達成できるならば、それに越したことはありません。そのような気持ちで著者一同執筆しています。いわば「おいしい非常食」を目指したつもりです。また、収録したワークシートを先生方好みに「マイナーチェンジ」できるように、出版社(学事出版株式会社)のHP(http://www.gakuji.co.jp/)からすべてのワークシートを無料でダウンロードできるようにしてあります。
もう1つは「レシピ集」としての役割です。本書に載せている授業プランは、あくまで一例です。掲載された事例を参考にしながら、さらにアレンジを加えることができます。また、ソフトとハードの組み合わせを変えて、全く新しい料理(授業)を創作することも可能です。ぜひ挑戦してみてください。
生徒に英語の力をつけることはもちろん大切ですが、先生が授業を楽しむことも大切だと考えています。本書を通じて、忙しくも充実した毎日を送っておられる先生方が楽しく授業を進めるためのお手伝いができればと思います。また、本書を柳瀬先生に贈呈させていただきました。それに併せてチラシをお送りいたしますので、本書とともにご覧になっていただければ幸いです。
*書店の店頭に並ぶのは3月下旬を予定していますが、学事出版HPからなら現在注文・送付が可能です(送料無料)。ぜひ、お時間あるときにご覧ください。
ラクイチ授業研究会英語科代表
福井県坂井市春江東小学校 江澤 隆輔
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追記
江澤先生の『中学校英語サポートBOOKSテーマ別英作文ドリル&ワーク』は、すでに重版になったそうです。すごい!
2018/03/07
2月は逃げた
時々、「大学の授業は2月で終わりになるから、2月は暇でしょう」などと言われますが、授業が終わっても学年末ということもあり、2月は結構忙しい時期となります。
特に、卒業論文審査、修士論文審査、博士論文審査、大学院入試、学部前期入試などが立て続けにありますので教員は結構忙しくしています。
しかしそんな中で開かれた「教英追いコン」(卒業生・修了生を「追い出す」祝賀会)は抱腹絶倒の会でした。以下は最後に撮った写真ですが、これだけ幸せな時間を作り出してくれる教英生を私たちは誇りに思っています。
さて、以下は、学部三年生向けの授業の特別課題で提出されたAMさんによる文章です。
多くの人に読んでもらいたく思い、ここに転載します。
もっと早く掲載したかったのですが、文字通り「2月は逃げた」ので本日の掲載となりました。
伊藤穣一さんの言葉から考える教育
私が「英語教育とコミュニケーション能力」の授業を受けている時期にタイミングよく、「教育方法・技術論」という教職の授業の中で伊藤穣一さんという方を知る機会がありました。
恥ずかしながら私はその授業を受けるまで伊藤穣一さんの名前さえ聞いたことがなく、世界でこんなに大活躍している日本人がいることも知りませんでした。伊藤さんはマサチューセッツ工科大学のメディア・ラボの長を務めていて、ベンチャー企業家、テクノロジストなどとにかく幅広い分野で活躍し、常に何か新しいことを発見しようと試みている非常に興味深い人物です。
授業で見たビデオでは伊藤さんの経歴や活躍ぶりが簡単に紹介されており、ビデオ越しにではありますが久しぶりに目がくぎ付けになるような人物に出会ったような気がしました。「英語教育とコミュニケーション能力」の授業で考えたことを連想させられる場面や言葉に多く直面したうえ、もっと伊藤穣一さんという人物の生き方や考え方を知ることで教育に対する見方考え方もより革新的なものにできるのではないかと考え、興味深く思ったため、調べてみることにしました。
そこで今日は特に印象に残っている伊藤穣一さんの言葉を含むネット記事とTEDを紹介したいと思います。
ネット記事(東洋経済ONLINE)
TED
伊藤さんはネット記事にもTEDにも教育とラーニング(自主的な学び)の決定的な違い及びラーニングの重要性を述べています。伊藤さんにとっての「教育」とは与えてもらうもの、「ラーニング」とは自分でするものを指しています。
ラーニングを重視し、興味のある分野や関連テーマをとことん追求しオリジナリティを作っていくことに価値を見出すアメリカとは対照的に、日本は教育国家であると言います。縦割り社会で、いかに権威に従うことができる人間を育てられるかが重要視されている。日本人は建設的な議論ができない、クリティカルシンキングができないと言われる背景にはそういった社会が存在しているからではないか。未だに日本は先生や上司など、目上の人に対して自分の意見を主張し、反対することはかなり難しいし、クラスで反対意見を言ったり、少し変わった発言をするとすぐに変人扱いされてしまう。
私自身、この風潮が中高生の頃から大嫌いで、なぜこんなに便利で平和な日本で生きにくさを感じるのかを考える度に帰着する点がこの縦割り社会・同調性社会だった。伊藤さんがおっしゃるように実際にアメリカの大学生は議論をすることを厭わないし、目的意識を持って専攻を選び、自分に合わなかったら他の専攻を選択している。2年前にアメリカの大学に2週間滞在したが、現地の学生と自己紹介をするたびに、なぜ広島大学を選んだのか、なぜ教育学部を選んだのかという「学ぶ目的」をこれまでかと思うほど聞かれた。逆に同じ質問を彼らに聞き返すと、長々と夢を語ってくれた学生から“Just for my interest”(特にminorの場合)と一言で答えてくれた学生まで様々だった。“Just for my interest”なんて、日本の大学生の何パーセントがこういった回答ができるのだろう、と感じたのと同時に、彼らは本当に興味を持ったものを自ら専攻しているのだなと身に持って感じさせられた回答だった。
日本ももっとアメリカの大学のようにフレキシブルになってマイナーが取れたり、言論の自由がもっとオープンに認められるようになってほしいと思うところはたくさんあるが、理想論だけを語っていても何も始まらないので、私は伊藤穣一さんのTEDから学んだこの言葉”learning over education“を大切にして、少なくとも、子供たち(自分自身も)がlearningしている教室を築くことができる1人になりたいと考えている。
伊藤さんが言う、学びながら次のこと(次の目標や夢)を考え、それが現実味を帯びてきたら実践してみる(ただしプランBも用意しておく)、必要な時に必要なスキルやものを引き出せるようにするといった考え方も、ある小さな枠組の中に留まらないためのいい考え方だと思った。
以下は常に自分自身が成長していくために必要だと感じさせられた伊藤さんの言葉です。
(ネット記事)
余暇は酒を飲んで終わるのではなくて、自分のバリューを磨いたり、勉強して知識やスキルを磨いておくことが重要になってきます。
(TED)
I think it's about stopping this notion that you need to plan everything, you need to stock everything, and you need to be so prepared, and focus on being connected, always learning, fully aware, and super present.
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